リバースエンジニアリングの嘘
なんかのきっかけでリバースエンジニアリングを調べたくなり、google日本語版で検索したら、ウィキペディア日本語版の記事がひっかかった。→wikipedia日本語版の「リバースエンジニアリング」
これが、かなりトンデモな事を、いかにももっともらしく書いてあって、もうビックリ! ちょっと、この日記を書いた時点の最新項目から引用してみよう。
ここ以降の文章はGNU Free Documentation Licenseで保護されます
一般的に工業製品の多くは、設計図や仕様書の概略程度しか公表されていない。ソフトウェア製品にしても、プログラムの原型であるソースコードは公開されておらず、コンパイル済みの実行ファイルや、それらをインストールするためのパッケージの形でしか提供されていない。これら製品には知的財産権上の秘密である、様々な創意工夫の生産物が内蔵されており、これらの構造物は製作者=メーカーの利益の根底にある、技術特許や著作権の認められた財産である。
リバースエンジニアリングは、これら財産となる秘密を解き明かし、白日の元に晒してしまう行為であり、更に云えば複製物の製作や、開発者の意図しない改造を可能にしてしまう。 ここまでの文章はGNU Free Documentation Licenseで保護されます
リバースエンジニアリングを悪い行為としているのは、そういう立場もあると容認できなくもないが、知的財産権上の秘密とかトンデモワードを書かれてしまうと、明らかに事実誤認というか嘘八百だ。
これは英語版の嘘をそのまま訳したのかなと思って、英語版の方を確認してみたが、こっちはマトモなことをかいている。日本語版と同じなのは冒頭の見出し部分だけで、どうやら日本語版の概要以降のトンデモ嘘記事は日本語版独自のものらしい。
wikipediaがボランタリベースで作られている玉石混合の百科事典ということは知っていたが、こんな駄石が混じってるとは思わなかった。そしてこの記事が開設されてから1年弱の間、何人かの加筆修正を受けているのだが、根本的な誤りを誰も訂正しようとしていない。
もしかして、「知的財産権上の秘密」なんてトンデモ概念を信仰する新興宗教団体の陰謀なのかも知れないと怖い妄想にとらわれかけたが、念のため「知的財産権上の秘密」でgoogle検索したが数えるほどしかヒットしなかったので安心。まだ日本は無事らしい。
とりあえず、wikipediaのルールに則って訂正してみようと思う。