でかいの日記帳

2019/10/22 Tuesday

ジョーカー

Filed under: - dekaino @ 22:20 このエントリをはてなブックマークに追加 吾с若爾里呂討Bookmark被リンク数

ジョーカーを観ました。
精神疾患があり不遇な人生を生きてきたピエロの格好をしたコメディアン アーサーがジョーカーになるまでの物語。簡単に重が入手できる、そして弱者救済目的の福祉制度が冷たい理屈でばんばん打ち切られていく、そういう米国の世情を反映させたゴッサムシティが生んだトリックスター ジョーカーの誕生秘話です。
ジョーカーはともかく、後のバットマンとなるブルース=ウェインの父、トマス=ウェインのキャラがすごかったです。トマスは上流階級の紳士であり、ゴッサムシティをよくするために自らの信じる政策を推し進める高潔な人格者であり、法的にも倫理的にも非の打ちどころかない人物なのです。ですが、アーサーやジョーカーを支持する庶民にとってはトマスは憎悪の対象なんですね。弱者に寄り添わない情の薄い金持ちの権力者であり、庶民を苦しめている社会の象徴的存在なのです。何も悪くないので憎まれるスケープゴート的に殺される富豪。資本を独占するものはたとえ善良なイノセントでも憎まれる、これこそが資本主義社会の病理ですね。

上映を自粛した映画館があるのもわかる気がします。日本も一歩間違えるとジョーカーが誕生してしまうかもしれません。

HELLO WORLD

Filed under: - dekaino @ 22:11 このエントリをはてなブックマークに追加 HELLO WORLDのはてなBookmark被リンク数

HELLO WORLDを観ました。バーチャルリアリティが題材のSFアニメです。マトリックスやインセプションなどの焼き直し設定でティーンズのラブストーリーをやってみたという感じのお話です。
プロモーションでは最後の瞬間に驚きの真相がみたいな煽りをしてましたが、全然サプライズ要素はなく、まあそうだよねってオチなのが逆に楽しい。つーか、もう落としどころはそこしかないよねって感じ。
なんとなく、昔の恋愛シミュレーションゲームみたいなノリで進むデートゲームな感じが懐かしい感じです。難しい条件のフラグを立てるため徹夜で作業! 作業! ってノリがすごい。エミュレータの中で作られたマシンでさらにエミュレータを走らせるメタな設定は珍しくないですが、そこを学生時代の恋愛のやり直しネタに重ねたところが新しいかも知れません。ヒロインが実質ひとりしかいないのが寂しいところではあります。マルチエンディングすべてコンプリートって楽しみ方はできない仕様っぽい。
まあ、そういうアニメ映画です。

2019/10/21 Monday

牙狼<GARO> −月虹ノ旅人−

Filed under: - dekaino @ 9:06 このエントリをはてなブックマークに追加 種GARO鐚 鴻篋財のはてなBookmark被リンク数

牙狼<GARO> −月虹ノ旅人−を観ました。冴島鋼牙とその父 太河と子 雷牙、冴島ファミリー三代そろった冴島ファミリーの集大成です。
牙狼 月虹の旅人
冒頭のサソリのホラーは元新体操選手の江田友莉亜が柔軟性を活かしたアクションで超かっこいい! しかも初っ端から轟天召喚で大活躍。さすが映画です。
第一作のボスキャラの京本政樹も復活してきて因縁の対決 冴島家に嫁入りした女たちの交流もまたGOODです。やはり同居してないせいか姑・嫁問題もなく仲がいいんですよね。カオルもマユリも頑固だから衝突したら館ひとつ吹っ飛びそうではあります。

後半の魔戒の列車はなかなかいい雰囲気でした。なんで列車ってこうノスタルジックな雰囲気出るんでしょうかね。銀河鉄道からしてそうですからね。
今回は魔戒導師は出てこないわけですがまあこれ以上ネタをつっこむとまとまらなくなるのでしょうがないですね。

牙狼シリーズのエポック的作品だと思います。ちょっと商業的展開がパチンコ以外はつらいコンテンツなので、今後は派生の新しい牙狼シリーズに注力されるのでしょう。

蜜蜂と遠雷

Filed under: - dekaino @ 8:59 このエントリをはてなブックマークに追加 靴里呂討Bookmark被リンク数

蜜蜂と遠雷を観ました。恩田陸の直木賞受賞作品の映像化です。
ひたすらピアノコンクールの話。脇役が無駄に豪華です。片桐はいり、そこに要らんでしょう。指揮者の鹿賀丈司とか存在感過剰です。
内的心理描写メインなのでアクション的には何も起こらず淡々とピアノコンクールが進むだけの話ですが、音響的には贅沢な作品です。音響設備の良い映画館で観るのをお勧めします。

ハミングバード・プロジェクト

Filed under: - dekaino @ 8:12 このエントリをはてなブックマークに追加 潟違若祉吾сのはてなBookmark被リンク数

ハミングバード・プロジェクト0.001秒の男たちを観ました。ニューヨークの証券取引所とカンザスシティのデータセンターの間をライバルより早く通信できるように一直線に光ファイバでつなぐという実話に基づく話です。
1000マイル/1600kmの往復通信時間が16msecまで縮められればデリバティブ取引で大儲けできるという算段です。光速度でも11msec必要だからかなりのチャレンジです。16msecとはハチドリ(ハミングバード)の羽ばたき一回分の時間、だからこの事業をハミングバードプロジェクトと名付けたのです。

とにかく回線長を短くしたいため、ニューヨークからカンザスシティを間をひたすら一直線に結んだ土地の地下使用権をがんがん買収します。そして山脈を超える難工事にも巨額の費用をかけて取り組みます。いろいろなドラマがあった何とか目標の往復16msecで通信できる光ファイバー回線ができると思ったら…

以下ネタバレ

なんとライバル社が11msecで通信できる無線通信設備を完成させてしまうんですね。これって物理的にどうしようもないのです。石英ガラスの屈折率は約1.5 つまり真空や空気中より光速度が1.5倍遅いんですね。だから通信所要馬関では光ファイバは無線通信には絶対に勝てないのだ!!! 無線は他人に傍受されるリスクがあるけど今どきは暗号化でそこも防止できるわけで、もはや勝ち目はない。劇中ではここら辺まったく説明がなかったけど、実際はそんなことはみんなわかっていたうえでのプロジェクトで、無線設備が完成するまでの間のつなぎのつもりだったんだけど、予測以上に無線通信技術の発展が早くて無線設備の方が先にできてしまったというオチですね。

諸行無常 資本主義の愚かさがよくわかる そして米国人は アーミッシュ 大好き そういう映画です。

2019/10/14 Monday

引っ越し大名!

Filed under: - dekaino @ 21:36 このエントリをはてなブックマークに追加 綣h紊у!のはてなBookmark被リンク数

引っ越し大名!を観ました。史実の何回も国替えをさせられた越後松平藩のお話です。実話ベースではありますがかなり演出が入っています。原作は土橋章宏の「引っ越し大名三千里」ですが、映画ではオチが違っているとのこと。
確かに映画版はリア充ウェーイなノリで、そっち方面の受けを狙っているようなところがあります。
星野源が演じる片桐は書庫にこもるダメ藩士みたいに書かれてますが、実際は間違いなくエリートオブエリートだったに違いありません。
本作は国元の話ばかりで江戸詰めの藩士は江戸家老しか出てこないのですが、国元も引っ越しやお役御免でつらいでしょうが、江戸屋敷だって石高が減った分の経費削減で人減らしするわけで、相当つらそうなんですがガン無視です。まあ引っ越しはないわけですからね。

高畑充希演じるヒロインのコブ付き出戻りってあたりは新しいですがいいのかそれで?
老人層に好感もたれそうなヒロインで、ある意味で本作は老人ウケをもらった時代劇映画って枠に入るんでしょうかね。
実話ベースではありますが、かなりとんだ演出のドタバタ時代劇コメディに仕上がっている作品です。

惡の華

Filed under: - dekaino @ 17:25 このエントリをはてなブックマークに追加 <のはてなBookmark被リンク数

惡の華を観ました。押見修造の売れたコミックが原作です。また井口昇監督の真面目に気合い入れた作品でもあります。押見+井口ワールドがまたこれすごい作品なのです。
本作は中学生の時の前編と高校生の時の後編の2つのパートがあるのですが、役者はどちらも同じです。髪型や服装でそれなりに年齢を表現していますが、そこはもうリアリティはない。成人した伊藤健太郎と玉城ティナが中学生という絵は無理がある。あるんだけどそこをむりやり中学校の日常に見せてしまう演出と演技がすごいのです。朝ドラの戸田恵梨香が中学生約やってるのはわけが違うのです。
童貞くさい中学生男子の悪友間の会話とか、いかにも中学生ですごいわけです。女子のカーストとかマウントし合うノリがもう中学生なわけです。
唯一中学生に近い年齢の秋田汐梨がまたこれ巧いんですね。そしてちょっと成長が早い女子の体操着姿という素晴らしいシーンが成立するわけです。

とにかく変態しか出てこない本作は変態の変態による変態のための作品であり、心の中に変態を飼っている元中高生に捧げられるノスタルジィドラマなのです。
高校辺にしか出てこない飯豊まりえはまりえで、ちょっと田舎くさいナイスバディな文学少女を熱演。ホリプロの方針なのか彼女だけは露出シーンが極端に少ないわけですが、それでも高校編のヒロインとして頑張っています。とにかく井口昇監督のフェティシズムは天才的です。
未成年の変態ドラマの金字塔ともいえる作品です。

2019/10/13 Sunday

アド・アストラ

Filed under: - dekaino @ 20:33 このエントリをはてなブックマークに追加 ≪祉≪鴻のはてなBookmark被リンク数

アド・アストラを観ました。父をたずねて海王星まで30天文単位ってお話です。

予告編ではハードSFって印象でしたが、SF考証的にはアマアマでぬるいです。それより社会体制というか政治的な描写の方にリアリティを追及している感じです。月までの旅客機の拝金主義的なサービスも新しいし、月基地は最先端の綺麗なイメージと思いきや慢性的な物資不足で、基地間の輸送でもキャラバンを組んで出発、米国の輸送キャラバンが怪しい第三国の略奪団に襲われる! みたいな治安の悪い中東的に描写は新しい描写って気がします。
ただ、根本の設定の方はお寒い限り。いくらなんでも地球と太陽の距離の30倍は遠い海王星からの影響で地球の電子機器が狂うとか無茶でしょう。反物質だといっても太陽みたいなどでかい質量の核融合の影響に比べたら微々たるもの。月軌道にいるならともかく海王星からではねえ。

まあそこは故国から遠い劣悪な緩急で孤独と戦う父と会いに行った息子というドラマを作るための設定ではあるのですが、ドラマそのものも自分の心には響きませんでした。棄民みたいな探査隊を出す方が馬鹿なんじゃないの? という感想。無理をせず人にやさしい探査をしましょう。宇宙探査は計画席に。

SFを前面に押し出してる割にSFではないあたり珍しい作品です。

工作 黒金星と呼ばれた男

Filed under: - dekaino @ 19:39 このエントリをはてなブックマークに追加 綏ヤ 藥若違靴里呂討Bookmark被リンク数

工作 黒金星と呼ばれた男を観ました。韓国映画です。ビジネスマンとして北朝鮮に潜入するスパイとスパイとビジネスをする北朝鮮の官僚の間に芽生える友情がテーマの作品です。基本的に実話ベース。多少の演出はあるでしょうが、歴史的背景ややった結果は事実そのものです。

金大中政権誕生前夜の不穏な独裁政権の動きがリアル極まりありません。二代目の将軍様の金成日との交渉のシーンもとてもアツい。緊張感ありまくりです。事実は小説よりも奇なりを地で行くスパイドラマであるとともに、貴重な外貨を稼いで少しでも貧しい国民の生活の足しにしようとする北朝鮮側の役人と、元軍人でビジネスマンを装う韓国側のスパイの主人公(コード名黒金星)との間の奇妙な連帯感というか友情、家族を紹介する仲にまでになる深いつながりは、演出が入った話半分だとしても、立場が違う人と人との繋がりに考えさせられるものがあります。

韓国の原題は工作、中国版は北風 です。北風は対北朝鮮のスパイ工作のコード名(北風作戦)なのです。ロケ地は台湾みたいですね。さすがにこの内容で中国では撮影できなかったようです。

立場が違う二人の男の間の友情物語 とてもアツい作品です。

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