でかいの日記帳

2014/12/31 Wednesday

楽園追放 −Expelled from Paradise−

Filed under: - dekaino @ 17:30 このエントリをはてなブックマークに追加 罐遵菴醇障Expelled from ParadiseのはてなBookmark被リンク数

楽園追放 −Expelled from Paradise−を観ました。上映館が少なくて苦労しました。横浜ブルク13で鑑賞しました。

SFの定番、ユートピア/デストピアものです。それに美少女と亀化アクションを…ってまるで80年代アニメみたいな企画です。勢いで誤魔化されてますけどSF要素はかなり弱く、アクションとメカとロリ少女ヒロインがメインなのかなと思います。

自我を持ったAI フロンティアセッターが鍵となるストーリーです。テンポ良いストーリー展開でついつい流されてしまうが、フロンティアセッター怪しいです。相当やばいです。ディーヴァの為政者が危険視するの当然です。
人間が好きみたいな描写があり、昔は人間の技術者と共同作業もしていたのに、なんで100年間も人と触れ合わずにいたのか? 交易はしていたのにあえて深い接触を避けていたあたり相当に怪しいです。コイツ好ましい人格を装って相当腹黒い奴じゃないかと見ている間ずっと疑っていたのに、最後までイイ奴(?)のまま終わるという拍子抜け。ここらへんがSFっぽくないです。ヒネリがなさすぎ。

ディーヴァも危険視するだけでなく、ネットワークセキュリティを軽々突破する能力を持つせっかくの計算資源をうまく利用する方法も探すべきだと思います。ここらへんの政治センスが欠如がリアリティに欠けてて、こいつらみんなお子様かよって感じ。中学生向けジュブナイルSFならまぁいいんですけど、それだったらあの胸とか尻とかは教育上よろしくないかと。

2014/12/28 Sunday

劇場版 寄生獣

Filed under: - dekaino @ 9:45 このエントリをはてなブックマークに追加 雁 絲のはてなBookmark被リンク数

劇場版 寄生獣を観ました。
ネットでは駄作という評が流れていましたが、確かにイマイチな感じです。
でも、山崎貴監督作品としてはよくできていると思うんですよ。原作を改変してまできっちり尺を短くテンポ良くしているし、饒舌な過剰説明もないし、過去に言われてきた欠点をすべて修正していて、商業作品としてソツなくできている。しかも原作をスポイルするような失点もない。タイトルが前後編ものとわからないようになっていて、決着がつかないまま終わってしまう納得のいかなさはありますが、原作マンガでは島田を倒したあたりでそれなりの盛り上がりはあったはず。なのに確かに本作はつまらない。なぜでしょう?

本作は原作にあった恐怖・ホラー要素が皆無なんですよね。CGの出来がよくリアルなだけにさらに怖さが無くなっているみたいな感じ。なんか、ディスカバリーチャンネルかNHKのダーウィンがなんとかみたいな番組の猛獣の生態密着特集みたいな感覚です。ものすごくリアルにわかりやすく獰猛さは伝わってくるのだけど、視聴者は全く怖くない。絶対に割れないガラス板のこちら側から安全にみている感覚なのです。

たとえば、リドリー=スコットのエイリアンは情報も少なく成体の全身像もほとんど画面にでてこないのにものすごく怖かった。ノストロモ号の乗務員に感情移入し彼らの感じる恐怖がビンビン伝わってきたのですが、本作にその要素は皆無です。CGを駆使した科学解説番組に過ぎないのです。これが演出の差というものか…

せめてSFとして新しい見地でも見出せばまだ面白いとおもうんですけど。寄生獣ってSF考証的には相当穴があるので、そこらへんをうまく説明する原作にない展開があるだけでも面白くなると思うんですよ。たとえば脳に寄生した寄生獣は宿主の同種を食べるわけだけど、消化器系は宿主のものを使う設定です。でも人間の胃腸が生の人肉をちゃんと消化できるかかなり疑問なわけです。胃の中から指が出てくるくらいあらい咀嚼だし大丈夫なのか。人の消化器系は火を通した食べ物に適用する形で進化してきたのだから相当の負担でしょう。また、感染症もがんがんうつりそう。肝炎とか一発で感染間違いなしです。性病なんかよりずっと効率よく、宿主の身体は感染症のデパートと化してしまうはず。人肉食を我慢するとか選挙に出馬するとか言ってる場合じゃない大問題だよ!!

完結編は面白くなるかどうか、お手並み拝見というところです。

ゴーン・ガール

Filed under: - dekaino @ 9:33 このエントリをはてなブックマークに追加 眼若潟祉若のはてなBookmark被リンク数

ゴーン・ガールを観ました。デビット=フィンチャー監督の新作です。
世間受けがとてもよい妻だが、実は夫を思い通りに改造しようとしている(夫視線では)サイコ妻が正体というスリラー作品です。でも世の中の夫婦ってだいたいそうですよね? 夫はこのまま変わらなくていいなんて思ってる妻はいないし、逆に夫は妻には新婚時から変わってほしくないと願っているのに妻はどんどん変わってしまうもの。この法則は東洋西洋問わず古今東西かわらないようです。

とはいえ、本作に出てくるAmazingレベルで世間受けがよく、良妻扱いされている女性は珍しいでしょう。そして夫の改造圧力はもっとすごい。もし子どもなんか作った日には、子供は操り人形状態になりそうで怖いです。

尺は長いですが最後まで退屈せずに観られます。そして決着は意外だけど実は一番怖いパターンかも知れません。まだどちらかが死んだ方がマシだったと言えるレベル。結婚生活とはそういうものだ、というデビッド=フィンチャー監督のメッセージがホラーです。

2014/12/27 Saturday

きゃりーぱみゅばみゅのくるみ割り人形

Filed under: - dekaino @ 9:14 このエントリをはてなブックマークに追加 若宴帥違帥水蚊篋阪就のはてなBookmark被リンク数

きゃりーぱみゅばみゅが主題歌やってるくるみ割り人形を観ました。サンリオ制作の伝説的な人形劇映画「くるみ割り人形(1979)」のフイルムを再構成、吹替えしなおした新作です。正直なぜ今くるみ割り人形なのかわかりません。サンリオのすごいところです。キティちゃんが稼いだお金をこういうところにつぎ込む器量の大きさは素直に尊敬してしまいます。
思った以上に、1979年版の高度な人形アニメパートをそのまま使っています。ストーリーもほぼそのまま。シーンとシーンをつなぐ間のCGくらいしか新作部分はない気がします。人形アニメパートで新作部分はあるのかな? 動かしていない人形を使った新作パートはあるみたいですが。

人形アニメパートは事実上21世紀では再現できないと思うんで新作部分がないのは当然かも知れません。これをいま劇場作品として公開するってのがサンリオ魂なんでしょうかね。意外と子連れの観客が多くいてよかったと思います。DVDやBluRayも販売されることでしょうし。
新しい吹替え部分は可もなく不可もなく、知名度で集客するという目的は達したレベルだと思います。きゃりーぱみゅばみゅの主題歌もよかったです。

2014/12/23 Tuesday

ホビット 決戦のゆくえ

Filed under: - dekaino @ 22:14 このエントリをはてなブックマークに追加  羆堺のはてなBookmark被リンク数

ホビット 決戦のゆくえを観ました。ホビット三部作の最終作です。
指輪物語の最初のシーンで幕切れという、予想通りの着地。安定感抜群です。
特撮もすごいし、エルフ無双のエルフ軍団のCGもすごい。
一番怖かったのは憤怒の形相でサウロンを追い払ったガラドリエルです。あれはこわいわー。彼女がひとつの指輪を持ったならばサウロンも酷い目にあうだろうけど、その他の人も無事ではいられないだろうというのがよくわかりました。

無事ビルボが帰還してホビット荘にしばしの平和が訪れます。
山の下の君トーリン=オーケンシールドに冥福あれ。

2014/12/21 Sunday

宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟

Filed under: - dekaino @ 8:04 このエントリをはてなブックマークに追加 絎絎ゃ2199綏<壕のはてなBookmark被リンク数

宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟を観ました。宇宙戦艦ヤマト2199の外伝エピソードで、コスモクリーナーを受け取ってから地球に帰還するまでの間に起きた事件の話です。

沖田館長が病床についているとはいえまだまだ元気なのが泣かせます。最終回ではあんなことになってしまうわけだが…
本作は完全な外伝で、存在なくても本筋に影響しないあたり、最近のスーパー戦隊もののOVAに近い商売ですね。世界観が松本零士では全くなくなっているのが強く感じられます。この世界にはハーロックも999もエメラルダスも出てこれません。むしろスタートレック的に世界観ですね。いろいろ異星人がいて独自文明を構築しているが、もともとはみな同じ起源をもつという銀河系皆兄弟ワールド。

デスラーが倒れた後のガミラス残存部隊というあたり、ポツダム宣言受諾後の大日本帝国海軍の残存艦隊みたいな感じで面白いです。ちなみに帝国海軍の方は素直に武装解除に従いましたが。本作のガミラス艦隊はそこまで素直ではなかったようです。
ヤマトは波動砲を使えないという致命的な制約の中の航行で、本作がヤマト映画の中で唯一初めての波動砲がない作品でしょう。波動砲がなくてもストーリーを盛り上げます。

まだ続編つくるのかなぁ? パチンコ台が売れる限り新作作れ圧力は強まるばかりだと思いますが、ここらで止めておいた方が有終の美という感じでいいと思うのですがね。

2014/12/14 Sunday

インターステラー

Filed under: - dekaino @ 8:33 このエントリをはてなブックマークに追加 ゃ潟帥若鴻爾里呂討Bookmark被リンク数

インターステラーを観ました。タイトルの最後は ー と伸ばすのが正しいらしい。みんな「インターステラ」って止めて読んでる気がするけどね。NHKの雑誌も「ステラ」。

SF映画です。宣伝もSFであることを全面に押し出していて(日本の映画界ではめずらしい)久々のSF大作と言えるでしょう。
ただ、SFとしてはあまり出来はよくないです。ストーリーは使い古された陳腐なものだし、交渉も甘いというか穴があります。でも使い古されたコンテンツを今風の演出でリブートするのが得意なノーラン監督の手腕で見ごたえのあるものに仕上がっています。

本作には複数のテーマが詰まっていますが、一番重要なのは「大衆への嘘・情報操作」でしょう。本作は権力が民衆に対して沢山嘘をつきます。
まずは(1)過去の宇宙開発は実は嘘でアポロ計画はソ連の財政をパンクさせる目的のフェイクだという、よくあるアポロ計画虚偽論を政府が子供に事実だとして教育している世界観です。理由は最優先事項である農業に大衆の目を向けさせるため。宇宙旅行なんてものにあこがれを持たせないためと説明されます。
第二の嘘は(2)宇宙開発なんて虚偽だといいながら実はNASAがこっそり復活して地球外別星系に人類を避難させる計画を立案実行中である。これが本作の柱の設定、SFネタとしては昔から使い古された設定です。
さらに、(3)PlanA現存の人類を移住させる計画とPlanB新世界に300人の人間を人工的出産(生産?)する機械を運び、人類の種と文化だけを新世界に継承させるの2本立ての計画だったのだが実はPlanAは最初から可能性ゼロの嘘だった
なんて衝撃の嘘がでてきます。

まぁ、この後いろいろあって重力方程式を解くことに成功しPlanAが実現可能となってめでたしめでたし! って感じで結末を迎えるのですが、ここに至ってもまだまだ観客に明示してない嘘がいくつか残っているとしか思えません。

たとえば、そもそもの話の発端「地球から逃れて移住しないと人類が滅亡する」これ嘘ですよね。たしかに作物が疫病にやられて食糧不足になるというのはリアリティがあります。耕作地面積にくらべて人口が多すぎて遺伝子操作した収穫量の多い作物ばかりを連作していればいつか破綻するのは納得できます。でもね。どんどん植物が死滅していき、世界が砂漠化して、光合成がとまり酸素が無くなって早晩窒息死してしまうって説はいくらなんでもトンデモ過ぎです。
まず地球全体が砂漠化なんかしないということ。海が出来た以降の地球で地上がすべて砂漠なんて時代はありません。気候変動で昔の温帯が今砂漠になったら、昔の砂漠だったところは熱帯雨林になるはず。ツンドラ地帯は温帯になって穀倉地帯になるはず。シベリアに麦植えろ!水田作れ!!
それに地球の光合成って海中・水中で行われている量が支配的で地上の光合成なんて大した量じゃないんです。たまたま地上の植物が人間にとって利用しやすいだけで、光合成は主に海で行われている。そうでなかったら絶海の孤島とか酸素不足で住めないはずだよね。実際は海洋半球である南半球の方がCO2濃度が少ないしO2濃度は高い。海洋の光合成のおかげです。
つまり、人類が滅亡なんて嘘っぱちなんです。ではなんでそんな嘘までついて人類移住計画を急いで進めていたのか? 絶滅まではいかなくても、人口を維持するのは困難でこのまま放置すると食料や資源を巡った奪い合い・戦争が起きることが確実だったからだと予測します。それを回避するためまとまった量の人口を地球外に移住させる必要があったのです。つまりこれは「棄民政策」そのものです。戦前日本で中南米や満州やハワイに入植振興したのと同じ人減らし政策なのです。
捨てた後はどうなってもいい。地球から追い出すことが目的なのだから、先ほどのPlanAの地球外移住計画もそれらしい船にそれらしい人工冬眠装置もどきを載せて、目が覚めた時は新世界だと信じ込ませた犠牲者を乗り込ませてブラックホールにでも捨てるつもりだったのでしょう。
そこまで考察すると、重力方程式を解いた後に建造したスペースコロニー型移住船も嘘だと疑わざるを得ません。重力が制御できたって空間を超越できたって、それとテラフォーミング技術は何の関係もないものね。そもそも見知らぬ惑星をテラフォーミングできる技術があったら、土地勘がある地球の環境を昔のように復旧する方が簡単なはず。地球再生すらできない人類が異星系でテラフォーミングなんて夢物語過ぎる!
アメリアのたどり着いて星だって住めるようにはならないのかも知れません。

ところでアメリアという名前、アメリカ人なら冒険家のアメリア=イヤハートからきてるってすぐわかる有名な女性で初めて単独大西洋横断を果たした女性の名前です。リンドバーグより人気が高いかも知れません。でも彼女は冒険飛行中に燃料切れになって行方不明になったままなんです。本作のアメリアもそうならないといいですね。

いろいろネタばらしというか柳田理科男的ムダ考察をしましたが、映画作品として本作はよくできてます。興行的にも成功してるようです。
尺が長いですがそれを気にさせない勢いがあります。ただしSF考証的にはアラというかわざと綻びを残してある感が強いです。
久々にSFを全面に押してきた映画。SFの灯を絶やさぬためにも大勢にみてほしいものです。

2014/12/7 Sunday

西遊記〜はじまりのはじまり〜

Filed under: - dekaino @ 19:42 このエントリをはてなブックマークに追加  茱翠荐障障のはてなBookmark被リンク数

西遊記〜はじまりのはじまり〜を観ました。チャウシンチーの新作、原題は大話西遊之三藏付魔。西遊記の有名な三蔵法師(玄奘)、孫悟空、猪八戒(悟能)、沙悟浄の4人パーティが組まれた原点を語るお話です。

悟空ほどの力が強い魔物がただの人間である三蔵に従っている理由の説明って難しいです。
深津絵里版西遊記だと「えー なんで?」となるし、ドラゴンボールだとなんかハイソな娘ブルマがお金の力でしたがえている風だし、手塚治虫のおれは孫悟空だともはや主従関係すら怪しい。諸星大二郎版も手塚版に近い。

堺正章と夏目雅子版の西遊記だけは、夏目雅子が三蔵というだけで、なんで3匹の弟子が坊さんに従っているのか理由を問うまでもない、もう世界が始まった時からそうあるべきだとわかるわけですが、その他の西遊記ものでここら辺をうまく説明できているものは少ないのです。

そこらへんをうまく語ろうってのが本作です。基本はギャグベースでたまにシリアスになります。ただギャグがかなーり下世話なので、日本では映画館で爆笑って感じにはならないかも。正月特番とか芸能人かくし芸系の2時間ドラマでやるようなギャグです。お茶の間のテレビで見るのが一番しっくりするかも?
中国では映画館でもこういう笑いが受けるのだろうか??

なんだかんだいってお金はかけていて特撮CGはしっかりしてます。水妖も豚の化物もなかなかいい仕事してます。大日如来は日本人にもよくわかる大乗仏教系の超越者であり、あまり説明は要らないでしょう。ケツの穴が小さいのか大きいのかよくわからない存在ですな。
孫悟空はずばり珍遊記の山田太郎タイプ。まぁギャグ系の悟空といったらコイツが最適だよね。さすがに魔力枯渇時でもフルチンにはならないですけど。

シリアス要素としては美女が出てくる悲恋の物語なのですが、ネタバレは控えます。
テレビに見た方がギャグを思う存分楽しめそうな作品です。

2014/12/6 Saturday

蜩ノ記

Filed under: - dekaino @ 9:14 このエントリをはてなブックマークに追加 荐のはてなBookmark被リンク数

蜩ノ記を観ました。
堀北真希がでてくる時代劇です。3年後に切腹しろと命じられた男の物語。彼は藩の歴史を編纂する仕事を終えたら死ぬ運命。それを監視するために派遣された若い侍の視点で物語がつづられます。

予告編通りの印象のまま淡々と進む映画です。特にどんでん返しもなく、娘役の堀北真希を愛でるのが正しい鑑賞法です。

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