劇場版「鬼滅の刃」無限列車編を観ました。新型コロナで大打撃を受けた映画業界の救世主です。TOHOシネマズなんか座席チドリ販売をやめて全席販売してしまう始末。大人気なのです。
ものすごく客が入っているわけですが、正直そこまですごい作品でもないです。確かに作画はよくできていますが劇場作品ですから、予算からして特に別格というわけではありません。新型コロナ前でもテレビアニメの劇場版というアニメ映画企画はたくさんあって、クォリティだって高いものが多かったのです。それでも2週間か3週間で上映が終わってしまうのでした。セルDVDやネット配信の箔付けのために劇場上映してるのでそれで十分なのです。
本作も従来の劇場アニメと同じ意図で制作されています。原作やテレビシリーズのファンが対象で、一般人が本作だけを観てくることは意図していないのです。だからレギュラーキャラの炭次郎たち一行の説明も敵である鬼の説明も全くなしで始まり、鬼との戦いの決着がつかないまま中途半端に終わってしまうのです。煉獄さんだけですよ、本作でケリをつけた味方キャラって。
結局、新型コロナによる上映自粛で映画ファンの飢餓感が醸成されていたところに、ポーンとそこそこのクオリティがあり、原作やテレビシリーズもそれなりの知名度がある本作が飛び込んできたから一気に火がついただけなんですよね。
はっきりいって、昨年2019年の10月公開だったら長くても1か月で上映終わってます。しかも最終週は1日1回しか上映されないレベルですよ。タイミングがマジよかったんですよね。鬼滅の刃。ラッキーです。
コロナ騒ぎで2作目で上映が止まってしまったGのレコンギスタ五部作とかだってクオリティ的には大差ないのですよ。たまたま運が悪かっただけです。富野御大も悔しくてしょうがないでしょうね。
本作を北米に持ち込んでもそもそも作品として完結していないため、よほどのマニアしか相手にされないと思われます。中国なら人口が多い分ニッチなマニアも多少はいるかもしれないでしょうが、日本ほどは売れないような気がします。まあ、その程度の作品です。過度の期待を持たずに観ればよいと思います。