2分の1の魔法
2分の1の魔法を観ました。PIXARの最新作です。弟が主役で兄がわき役という少し珍しい構成の話です。弟が生まれる前に病死してしまった父をめぐる物語。残念ながらティーンズ恋愛は出てこないのです。
原題は"ONWARD"です。出崎統演出によくある「前に進め!」ってやつですかね。
今回はPIXARの短編の併映はなく本編一作のみです。でもなかなかいい話なんだな、これが。恋愛要素はなく兄弟愛と父子愛にフォーカスしていて泣ける泣ける。そして母の新しい恋人、もうすぐ義父になろうとしているマッチョ警官も兄弟は毛嫌いはしても憎みはしないんですね。アメリカらしい家族の形のひとつなのでしょう。
むかしは魔法があったけど現代文明が進んで魔法が廃れてきているという世界観。そりゃ機械は便利だけど、もともとある力を増力化する機械もあると思うんですよね。たとえば二足歩行を増力化する自転車みたいなメカ。翼で飛ぶのを補助して増力化する足ヒレみたいな道具とかありそうだし、四足歩行用の自転車っぽいメカがあればクルマなんか乗らなくていいんじゃないんですかね?
たぶん父が半分しか実体化しなかったのは弟イアンの父の記憶は写真や録音テープだけで生身の記憶がないからなんでしょうけど、そういう細かい設定はあえて謎解きしないんですよね。兄バリーは魔法の才能がなく真の意味で兄弟2人が協力しないと魔法が成功しないというのがいい感じです。コロナ禍で延期されたのが不運でしたが、本当によくできている作品です。