Wikipedia日本語版で独自研究
8月14日はデンマークの化学・物理学者ハンス・クリスティアン・エルステッドの誕生日で、Googleのトップページのロゴがエルステッドのものになっていた。そこをクリックしてトップに出てくるのがwikipedia日本語版である。
ここまでは日常見かける風景なのだが、さらにエルステッド博士に由来するMKSA系単位エルステッドの記事をみて、おや?と思った。
エルステッド - 2009年7月6日 (月) 20:51; Sera ginera 編集
磁場の強さと磁束密度が別の物理量と誤って信じている人たちもいるが、実際は全く同じ物理量である。
(8月15日現在 正しく修正されている。修正日時は8/14となっていることから Googleロゴのリンクで注目を集めたためだろう。)
これはかなり大胆な考え方で少なくとも主流の説ではない。この記述を加えたSera gineraなるアカウントの編集履歴を調べてみると、電磁気単位について広範にわたって編集している。どうやらCGS単位系(一般には過去にかつて使われていたという歴史的意味しかない)こそが理論的に正しいと信じる人で、自説をwikipedia日本語版に書き込みまくっているようだ。
どうしてもWikipediaという仕組みは独自研究の発表開陳にしたい動機を持つものを引き寄せてしまうようで、そのために記事の信頼性が大きく損なわれている。wikipediaに載ったら世間に認められた説になるとでも勘違いしているのだろうか? これを元に戻したりしたらいわゆる編集合戦となって無駄に労力を使うことになるだろうなと思うと、修正する気も失せてしまう。
Wikipedia日本語版ってやはりもうダメなのだろうか?