奇術師
原題は"The Prestige"。英辞郎によると名声、威信、信望、威光という意味の単語だが、いまは失われた原義で奇術、手品、幻術という意味があるそうだ。邦題もそれからとったもの。
19世紀末から20世紀初頭のイギリスおよびアメリカを舞台にしたSFです。
日記文学の形式で立場が違えば見え方も違うことを鮮やかに表現し、そして神の視点にいるはずの読者さえ騙されてしまう手法は、京極夏彦に通じるものがあります。
SFとしては古典的ネタであり、スタートレックのエピソードでも何度も出てくる類なのですが、膨大な時代考証の裏取りと表現の巧みさが読む人を圧倒する傑作です。
本作を原作とした映画が制作されて今度公開されるそうなので楽しみです。