でかいの日記帳

2006/5/16 Tuesday

立喰師列伝

Filed under: - dekaino @ 7:39 このエントリをはてなブックマークに追加 腴医見篌のはてなBookmark被リンク数

立喰師列伝を観ました。押井守のライフワークというかもはやセルフパロディの域に入る異色作です。
本作は戦後の名だたる「立喰師」について時系列に沿って淡々と当時の世相を交えながら解説していくもので、地味さは放送大学の番組を上回ります。受身な観客は完全においていかれること間違いなし。ぐっすり眠れることでしょう。しかし、あらかじめ押井ワールドを予習し復讐し準備万端で臨めば得られるものは多い…かも知れません。このノリは文系大学の大教室で淡々と話す老教授の講義に近いものがあります。学生とのコミュニケーションを排し黒板に向きっぱなしで毎年同じ内容をダラダラと語り続けるあのノリです。

私は小田原コロナワールドで観たのですが、これがまさに大きな階段教室という感じでGOODでした。席はガラガラ、寝ている客あり、一部のマニアックな客は一般人にはわからないタイミングでクスクス笑い、しかしそんな客との対話を拒否するように映画は淡々と進んでいくのです。
しかも、小田原コロナって本業はパチンコで映画館は商売っ気抜きの客引きサービスというか利益還元というか、そもそもモギリがいなくて自由に入れるというとにかくゆるい雰囲気なため、やろうと思えば簡単にタダ見が可能だったりします(ヤフー掲示板にも指摘が!)。つまりこの階段教室の講義空間にモグリの偽学生も参加可能なわけです。このゆるい空間にこれほどマッチする映画はないでしょう。
渋谷シネクイントみたいな、文化事業を促進しつつちゃんと儲けますみたいな都会のこじゃれたハコで観たんじゃ、このトリップ感を味わうことはできません。場末の劇場で観てこそ真価が発揮される映画なのです。

P.S.私はちゃんと毎回お金払ってみてますよ。朝一の回なら1000円で見られるし、低くない確率で貸切状態という好条件の小田原コロナさんは無くなってほしくないっす。

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