最後の決闘裁判
最後の決闘裁判を観ました。原題はLAST DUEL。なんか邦題は説明口調でダサいですね。
本作、巨匠リドリー=スコット監督作品だけあって面白いのですよ。フランスの話なのにみんな英語しゃべってる点を除けば時代考証もしっかりしています。
妻が知りあいの男に強姦されたという訴訟沙汰からなぜか決闘して勝った方が真実を言っていたことになるという、中世カトリック世界に実在した謎の決闘裁判制度。最後の決闘裁判の史実に基づく話なのです。
つくりは羅生門のようなメタな構造を持っています。「真相は藪の中」です。まず夫の視点からの描写、次に告訴された強姦犯の視点からの描写、最後に被害者である妻の視点からの描写。3回同じ時間軸を繰り返した後にクライマックスの決闘裁判シーン。それぞれの立場にそれぞれの真実と正義と悪徳があり、最後はどのように終わるのか! まあ史実通りの結果になるのですが…
相当に練りこまれた脚本で面白いです。無駄にお金かけて地味な表現してますしね。馬がサカるシーンとかわざわざ再現しなくても誤魔化せそうなものだけど、隠喩を避けてすべて映像化する信念のもと作られています。
昔からフランス男ってこうなんですかね?
まあそんなお話です。
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