メリー・ポピンズ リターンズ
メリー・ポピンズ リターンズを観ました。上質のミュージカルとして仕上がっているのはもちろん、旧作の20年後を舞台として旧作のキャラクター達も出てくるあたりが心憎いです。なぜかメリーポピンズ自身は年をとっていない(らしい)。
日本語版吹替は平原綾香。低音で歌い上げます。世界恐慌の発端となったロンドンらしいストーリーで借金返さないと担保の屋敷を取られるというピンチに陥ったバンクス一家にメリーポピンズが20年ぶりに再来します。いくらメリーポピンズでもお金の問題は解決できないと思うのですが、何とかなってしまうのがディズニーの魔法ですね。
手書き風アニメと実写の合成シーンが本当によくできています。
時代考証的には舞台となっている1930年代前期の大恐慌時代のロンドンはもうBBCが設立されていて商業ラヂオ放送が始まっています。そこらへんがまったく描写されていないのは不自然すぎます。ミュージカル映画なのにラヂオを避けるなんて! まぁビッグベン以外に時を告げる装置があるといろいろ困るんでしょうけどね。ラヂオ放送黎明期を記憶している人ももうほとんど死に絶えたということかな? これが25年前だったら、30年代はもっと技術が進んでいたって相当いわれたんじゃないかなと思います。本作ではまるで電気すらなかったみたいな描写になってますからね。たしかに石炭焚きすぎてスモッグ出まくってたのは事実でしょうけど。
ミュージカルとしてはよくできている作品です。ちょっとご都合主義が過ぎるけどそんなことグダグダ言ってる人は風船で空を飛ぶことはできないのです。つまりそういう作品なのです。楽しみましょう。