さらば青春、されど青春。を観ました。そう幸福の科学の映画です。教祖大川隆法の宗教を始める前の青春時代をつづった自伝本の映画化らしいです。もちらんそんな自伝は未読です。
本作の見どころはそう! 元清水富美加の千眼美子です。千眼名義の初仕事であります。
教祖大川隆法の青春時代を演じるのは実子の大川宏洋です。
本作で語られる大川隆法の略史
東大法学部に入学し、司法試験と上級公務員試験に失敗する。
しょうがないから商社トーメンに就職 (東大法の就活先として商社は最底辺)。
商社では幹部候補生としてニューヨーク駐在員や名古屋事業所で勤務。仕事しながら霊言本を出版する。
30歳で退社。宗教団体立ち上げ。
こんな感じなわけで、このままやっても信者以外はありがたくも何もありません。
話にいろどりを添えるのが女性関係。3人の女性が出てきます。
1人目は東大時代に一目ぼれした同学年の女学生。ラブレターをがんがん出すもあえなくフラれ、しかもその女は司法試験に合格して法曹の道を歩みます。隆法 完全敗北。
2人目がニューヨーク駐在時代の同僚の金髪女。それとなく彼女の方から食事に誘われたりするも完全に無視してそのまま消滅。何やってんの? 間違いなくこの時点で隆法は童貞です。
3人目がお待ちかね 千眼美子が演じる商社OL。名古屋事業所で知り合い、こちらは食事したりデートしたりそれなりにお付き合いを進めます。それでもどちらかというと隆法君は完全に受け身、退社して宗教家として自立するときについて来いと言えず破局するというストーリーです。
まあ彼女視点で言えば将来の社長候補と思ってつきあってたら会社辞めて宗教家になる? ふざけんな! ってところだと思います。
1975〜1985年くらいを舞台とするのですが、時代を表す演出がすごいアナログかつ力技です。カネがあるっていいなぁ。いきなり東急のアオガエル電車に乗って通学ですからね。長野電鉄で貸し切りロケでもしたんでしょうか? 豪勢です。 ニューヨーク支社でもなぜか AppleIIeが鎮座するデスク。いやあ商社でAppleIIは使わんでしょ。そこはDECのビデオ端末(そうVT100とか)にしときなさいよ。カネはかかっているが暴走気味の時代演出は三丁目の夕日のアナログ版と言えるレベルです。
千眼美子は宗教にかぶれる描写はまったくなく、それどころか宗教から距離をとっている表現になっているので、幸福の科学色に染めずにピュアなイメージを維持したいというところでしょうか
主演 大川宏洋はたんたんと父 隆法を演じますが、正直 負け犬チックでしょぼい演技です。
そして悪魔を演じる時はものすごーく生き生きしています。マジで悪魔好きだよなぁ 宏洋。
史実では 千眼美子演じるOLをふった後、宗教団体の信者の女と結婚し、ぼこぼこ子供作ります。この人こそ宏洋の実母なのですが、なんと現在は離婚して教団を去っています。原因は父 隆法が若い女信者と浮気したから。離婚後に隆法はその浮気相手と再婚しております。
まあそういう事情があって、父の若い頃の女性遍歴を演じるとかやってられないですよね。
とにかく千眼美子はよかったです。それだけのために作品と言えます。