ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書を観ました。ニクソン大統領時代の有名な情報リーク事件に基づくドキュメンタリ映画です。
難で本作を今の時代に製作しようと思ったのか? トランプ大統領に対して危機感が強いからなんでしょうか? それでもドナルド=トランプは長らくテレビショウビジネス界で活躍していた人でマスコミとの付き合い方とか、やっていいこと悪いことはわきまえている気はします。それより日本の安倍政権の方がニクソン的なやばい匂いぷんぷんで、その文脈でいま公開されているタイミングは重要かもしれません。
本作の主人公は ニューヨークタイムズではなくて2番手のワシントンポストというところも面白い視点です。
タイムス紙だったら力づくで連邦政府と戦えるわけですけど、財務的にもスタッフの量的にも厳しいワシントンポストがタイムズの後追いをするのか逆張りするのか、それとも別の視点でタイムズの先を行く報道をするのか、政府からの圧力にどう対応するのか、企業ドラマとしてかなりエキサイティングです。
おりしも家族経営の非公開会社だってワシントンポスト社は、公開株を発行して資金調達をしようとしているタイミングでの出来事で経営陣内部の対立もあって熱いです。
その中でも一番重要なのは世襲で社長になった女性社長キャサリンの苦悩と周りからの信頼、そして全米の女性たちの期待です。女性だからといって軽く扱われることは不当である、女性だからこそ戦うこともあるし、それは誇り高い行為であるみたいな思想が骨太に表現されます。
本作を観るなら、ある程度の予備知識はあった方がいいとは思います。ベトナム戦争やニクソン大統領、この映画で描写された事件の後に起きるウォーター事件のこと等。
当時、政府系シンクタンクで働いていた元スタッフから新聞社に極秘文書がリークしたわけですが、もしいま日本でリークするとしたら、リーク先はNHKでも大手マスコミでもない気がするんですよね。おそらく赤旗しかない。ニュースソースを守るという点では赤旗は鉄板だし、だからこそ赤旗はいろんなリーク情報を持っていると言えるでしょう。
残念ながら特定政党機関紙以外に信頼できる新聞がないのが日本の悲しいところです。