KUBO/クボ 二本の弦の秘密
KUBO/クボ 二本の弦の秘密を観ました。ストップモーション方式の人形アニメの最先端技術で作られた作品です。
(左から) サル クワガタ クボ
画面を観るとフルCGアニメのように思えますがこれCGじゃないんですよ、本物の人形です。
カメラのモーションをで自テル制御することで、フルCGレベルのクオリティを人形アニメで実現しています。顔の表情も3Dプリンターで顔のパーツを多パターンつくって表現しています。羊のショーンに似た作り方ですね。
技術面だけでなく、ストーリーも非常によくできています。日本の歴史や風俗をちゃんと調査したうえで脚色を入れており子供だましではない内容です。というか主役のクボ君には同年代の友人もヒロインもいないわけで、子どもに感情移入させるよりも大人の感情移入を狙っていることが明らかです、子供向け作品を装った大人向けの映画だと思ってよいでしょう。三味線なのに2本の弦という意味深なタイトルも、子どもだと意味が分からないままかもしれません。大人向けです。
敵の月のミカド(原語ではMoon King)は、私見ですが藤原道長がモデルじゃないかなと思います。
有名な「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」から月がきているのでしょう。道長は3人の娘を3人の天皇のそれぞれの皇后にしたことで絶大な権力を得ます。しかし3人の娘の中でも一番権力があったであろう長女は世継ぎを自分の子ではなく先妻の産んだ皇子にしようとして父親に反抗したりしています(史実ではその願いかなわず先妻の子は不遇の人生となりますが)。ここらの史実から発想されたキャラ設定ではないでしょうか?
ストーリーの結末もハリウッド映画にありがちな正義が悪を滅ぼす形ではなく、いかにも日本的な浄化する終わらせ方でよいです。敵討ちの憎しみの連鎖は止めなくてはなりません。
本作は上映スクリーンが少ないのですが、長期上映してじわじわと口コミで人気が出てくるといいなと思う作品です。
年末年始のアニメ映画では一押しの作品。
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