アサシン クリード
アサシン クリードを観ました。ヒットしたゲームの映画化らしいのですが、元ネタのゲームの知識はまったくないまま観ました。事前に知っていた知識は予告編のみです。
とにかくスペイン、スペイン。観客はヒスパニックを想定しているのって思うくらいスペインだらけの映画です。
いまから500年以上前の主人公の祖先の戦いの記憶から話が始まるのですが、これがハリウッド映画っぽくない設定です。
悪玉: スペインのテンプル騎士団 バリバリのカトリック原理主義の武闘派
善玉: イスラム国であるグラナダ王国をキリスト教の侵攻(のレコンキスタ運動)から守ろうとするアサシン教団
つまり イスラムが善玉でキリスト教徒が悪玉なんですね。(まぁカトリックなので、アメリカで主流のプロテスタントとは違う、あれは堕落した教派という逃げ道はありますけど)
で正義の暗殺集団 アサシン教団(Assassin’s creed)が誓いを立てる場面でもなぜかスペイン語なんですね。
わざわざ英語の字幕を出してスペイン語。ここはアラビア語かペルシャ語でしょ? 違和感ありまくりでした。
これなら ハリウッドご都合主義で英語を話させた方が全然マシです。
元ネタゲームはまったく知らないのですが、ゲームってしばしばサブカルチャーというか世間とは善悪を逆にした設定で奇をてらいがちなので、ムスリムが正義でクリスチャンが悪玉ってゲームがあって不思議ではないのです。
でもそれをわかりやすく表現しちゃうとマズいと思ったのか、歴史の知識がない人にはそうとはわからないようにする意図があるように思えます。
とにもかくにも、設定としては主人公の祖先はイスラムの守護者で、キリスト教をお題目に掲げるテンプル騎士団は悪役なのです。
過去の記憶を探って「エデンのリンゴ」なる宝物を探すという話から、なぜか機械が壊れても祖先の記憶とシンクロしたままになり、現代でもアサシン教団とテンプル騎士団との戦いが続けられます。
現代の舞台もメキシコ、テキサス、マドリード、セビーリャとスペインゆかりの土地ばかり。徹底的にスペイン映画なのです。
史実上の人物が出てくるが、とんでもに匹敵するほどスゴイ脚色入れてくるあたり、山田風太郎作品に似た印象はあります。ただし風太郎作品にくらべるとエロ要素が足りませんけどね。エロ要素が足りないせいかいまいちピリっとしません。
本作はアメリカでは2016年クリスマス映画だったのですが、興行的には散々だったようです。
ただ北米以外ではそれなりに公表のようです。たしかに中南米とかヒスパニック圏では受けるかも?
ただ、この映画見て元ネタゲームをしたくなるかというと、そんなことはない気がします。
映像はすごいけど、ストーリーはダビンチコードよりしょぼく、観光地商会映画でもなく、エロ要素は不足してる、そんな作品です。
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