虐殺器官
虐殺器官を観ました。伊藤計劃の小説のアニメ映画化する一連の企画の作品ですが、本作だけ制作会社の倒産などにより公開が1年以上遅れてしまいました。
トランプ政権誕生後に観るとまた意味合いが違ってしまう気もしますね。
本作はSFというよりは幻想小説なのでセンスオブワンダーはありません。
ストーリーの力というか思想に与える影響を大きくとらえている文学者ならではの世界観で、どうして世界から殺し合いがなくならないのかって話です。
ビジュアル的にはSF風ですけど基本は会話とモノローグだけで進み、映像で納得感が得られるわけではありません。そういう文脈で、本作はあくまでも小説で映像は贅沢な予算で作った挿絵にすぎません。
遠隔操作の無人機による虐殺みたいな話も出てこないあたり、個人的には本作の思想には全く同意できないです。
ラストシーンもその後どうなったかは勝手に考えろ的突き放しは、手抜きっぽく思えました。
まぁでも紆余曲折を経てここまで作り上げてきたのは素晴らしいことだと思います。
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