バケモノの子
バケモノの子を観ました。細田守監督の最新作です。
今度は渋谷につながる裏の妖怪の街 渋天街とそこに紛れ込んだ人間の少年の物語。
渋天街はどういう理屈かわからないけど人間界とリンクしていて地形も渋谷と同じ。
主人公の九太と熊徹が住む家はスペイン坂を登り切った単館系映画館のあるあたりでしょうか?
本作は細田監督の今までの作品と違い、無駄が少ないです。ストーリー上欠かせないシーンだけで構成されていて、遊びのダレ場がない。密度が濃い感じです。ストーリーには関係ないけど、ただ映像的にこういうのをやってみたい的シーンがないのです。そういう意味でプロっぽい作品となってます。
もちろん細田フイルムらしい特徴は残ってます。一度コースを外れた人生から復帰するのはスクールカーストの下の方にする女性の援助ってあたりですね。広瀬すず演ずる楓ちゃんはいいように利用されてるのに、本人が自分で自分を「これでいいの」と騙してるあたりが切ないです。はやく気がついて、いいように利用され搾取されてる事実に。
バケモノにとっても人間にとっても、人間が一番怖い、それがよくわかる作品です。