トゥモローランド
トゥモローランドを観ました。予告編ではディズニー映画で、ウォルト=ディズニー似のおっさんがいるテーマパークに奥底にある秘密の入り口に入るとそこは夢のトゥモローランドだった! という流れで、ディズニーランドの宣伝映画なのかと思っていました。実際、ディズニーランドに本作のアトラクションが作られる予定らしいのですが、本作はまったくディズニーランドの話ではありません。
本作の監督はあのブラッド=バード、そうアイアンジャイアントのバード監督です。
バード監督は実写映画の監督としてミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコルを撮っていますが、これは普通のアクション映画でした。しかし本作は実写かつバード監督の真骨頂である1960年代の懐かしファンタジー映画なのです。アメリカの60’s押し映画であることは日本でのプロモーションではあえて隠されているように思えます。ですから日本の観客は予想外の導入部そして予想の枠から外れたストーリー展開に驚くばかりとなります。
要は、アメリカ版のALWAYS三丁目の夕日なわけです。アメリカの絶頂期1960年代、その象徴であったニューヨーク万博(1964年)のシーンから物語は始まります。
そして60年代のままではなく、60年代に夢多き少年だった主人公が夢破れた初老の老人となった時代に舞台が移るところが新しいです。
つまり、黄昏流星群的な老人受けをねらった映画なのです。これはアメリカの70才代にはたまらない設定です。マーケティングの勝利!
バード監督作品は普通でない恋愛要素が入るのも特徴のひとつです。アイアンジャイアントではシングルマザーと解体屋の兄さんが恋愛してました。本作では初老のオヤジとアニマロイド(テーマパークのロボット人形)の少女との恋愛模様がつづられます。あくまでもプログラムで制御された人工知能に恋してしまった少年、そして恋やぶれ心に傷を負ったまま初老の老人になってしまう主人公。甘酸っぱいサイバーなロマンスです。どうしてブラッド=バード作品の人工知能はこうも泣かせるのか? ロボット万歳。
作品の背景には60年代の特徴である冷戦下にある恐怖感、いつ世界が終るかも知れないという圧力があります。いかにこの恐怖に打ち勝ち明るい未来を信じるか、それが人類が生き残る鍵となるのです。
予告編で想像するような映画ではまったくありませんが、いい意味で裏切られて面白い作品です。アイアンジャイアントが好きな人なら必見です。
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