思い出のマーニー
思い出のマーニーを観ました。ジブリの最新作で、監督は米林宏昌です。
原作の設定を変えてイギリスの話なのを北海道の話に変えてきてます。そのためいろいろ無理が出ているようです。
自分は予告編ではてっきり湖沼のほとりを舞台にした話だと思い込んでいたのですが、なんとこれ海辺の話なんだってよ。あんな船着き場がある構造のお屋敷が海っぺりにあったら台風とか高潮のときに床上浸水必至ですよ。ものすごく驚きました。
また、JR北海道の描写が多く、これはJR北海道とキャンペーン組むつもりで作ったんだろうなと思わせます。ところがJR北海道は不祥事の連続でとてもキャンペーンなんか打てる状況でもなく、鈴木敏夫Pの読み間違えってところでしょう。JR東日本が細々と連携企画をやっているようですが、今までのジブリ作品としては非常にプロモートが弱いと言わざるを得ません。
舞台の変更以外にもいろいろ変更があります。主人公が釧路に来る理由も原作ではドイツの空襲から非難するために田舎に疎開(なんと第二次世界大戦中の話なのだ!)ってところを、主人公の持病のぜんそくの治療のためって変えてきてます。
でも、劇中の町がぜんそくにいいとはとても思えません。人口がかなり多くて寒村どころかちょっとした中核集落の規模でみんな自動車に乗っているし、近くに太いバイパスも通ってます。決定的なのは漁船がたくさんある漁港に真ん前ということ。船舶って環境規制が自動車より全然ゆるいザル状態なので非常に排ガスが汚い。あんなに漁船があったら札幌より相当汚い空気のはずですよ。ありえない。
まぁここは本人はぜんそくの治療のためと信じているけど、実は精神的な病気の治療のためだったと深読みすればまぁ納得できるんですけどね。だって主人公は幻覚みすぎですよ。しかも幻覚みた後は失神して倒れるのが癖になってるし、本人に病識がないだけで間違いなくヤバいです。
カラフル並みのサイコ映画なのかもしれません。幻覚コワイデスヨォ。
正直いって内容は中学生より上向きです。宮崎監督作品なら演出や動き表現とかで小学生も楽しめるんでしょうが、本作は無理。小学生に見せたら退屈すること間違いなしです。
そういう意味では、安心のジブリブランドとは言えなく作品となっていて、ジブリという会社が曲がり角に立たされているということかも知れません。