メリダとおそろしの森
メリダとおそろしの森を観ました。ピクサー初のファンタジーもので、いかにもディズニーらしい地域民話を翻案した活劇ものです。主人公がお姫様で結婚なんかしたくないわって言ってるあたりがいかにも21世紀のディズニー風。ピクサーとディズニーの融合はうまくいっているようです。
舞台はスコットランド。王国の姫メリダがタイトルの通り主人公。母の女王が画策する演壇に反抗して魔法使いに頼みごとをしたことが発端で王国の興亡に関わる一大事になるという、ありがちと言えばありがちなストーリーです。
ちなみに原題は"BRAVE"。勇者とか勇敢とか言う意味。どこにも「おそろしの森」なんて要素はないです。話にも森が畏怖の対象とか人間の敵とかそういうのはなくて、ただまだ魔法が残っている人外境って意味合いしかない。本作の魔女って本当にビジネスライクだし、まったく悪気がないというか、ただ頼まれた仕事を忠実にやっただけ。善良な勤労女性の鏡です。クレーム時のサポートもちゃんとやってくれるしね。
人間が熊に変身するというくだりは、もしかしたらディズニー最後の手描きアニメと言われていたブラザーベア(2003年)へのオマージュなのかも。熊って獅子とならんで全世界の原始社会で神様扱いされてる動物だし。でもスコットランドでは1000年以上前に野生の熊は滅亡しているそうです。日本はまだ生き残ってる、実はすごい? ローマ人と戦ったと言われるピクト族(顔に入れ墨してるからピクト)やらスコットランド史に出てくる各部族が総出演します。
ただ歴史考証的にはこの話が何世紀ごろかは不明。ローマ人とバイキング(デーン人)とジャガイモと野生の熊が同時にいる時代っていつだ!? 細かいことは気にしないのが吉。
併映の短編は今回2本!「ニセものバズがやってきた」と「月と少年」です。前者はトイ・ストーリーの外伝、そして後者がアカデミー賞を受賞した珠玉の短編アニメです、モチーフとしてはドリームワークスアニメで作った方がよかったんだろうけど(おそらく着想もドリームワークスのロゴ)、ピクサー/ディズニーのスタッフだったエンリコ・カサローザが作りました。無声映画的なつくりでセリフはないんだけど、とてもわかりやすく、かつ面白いです。
日本語版でメリダの声を演じた大島優子。下手ではないので安心です。ディズニーは宣伝目的のタレント声優でも棒読みじゃないから安心です。
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