おまえうまそうだな
おまえうまそうだなを観ました。
ベストセラーの絵本が原作らしいですが読んだことありません。
母、主人公、その子 という三代の恐竜一家の話、ただし実の親子関係はないというありがちといえばありがちなファミリーストーリー。
恐竜たちの骨格が人間そのものなのが面白い。円谷特撮の着ぐるみというか、劇団四季のキャッツとかライオンキングみたいな特殊メイクした役者が演技しているような味わいです。しぐさとか完全に人間そのもの。
どんな表現も可能なアニメであえてこういうことするのは何か信念があるのか、それとも人間ではない骨格で演技させられるアニメータが希少でそろえられなかったせいなのか、謎です。
アクションはかっこいいけど科学考証以前の問題でリアリティはありません。現生鳥類と同じ形態の鳥とティラノサウルスが一緒にいるとか無茶な話ですが、まぁ原作は絵本なのでご愛嬌。
お涙ちょうだい的な話だけど、それほどご都合主義ではなくシビアな味付けなので大人でも楽しめる骨太な話になっています。三代の家族なので孫を連れたじいちゃんばあちゃんって客層をターゲットにしているのかもしれません。
100%手描きアニメ、変な3Dアニメより面白いです。
3件のコメント »
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この映画の本当に面白い所はバトルとか美術とか食物連鎖に基づいた硬派な描写だと思います(ゴンザとの絡みもそうでしょう)。そして、スーパーアクションアニメに選ばれた事もあります。
ただし、これらはあくまでも味付けレベルで、本当の主軸は絵柄通りの単純なハートフル親子物語なんですよね。
この映画のネックは「主軸よりも味付け部分のが面白い」所と「その味付け部分が絵柄や主軸に全く合ってない」所だと思います。
本来、単純なお涙頂戴親子物語でしかない映画に無理矢理硬派な要素を付け加えたような感じすらします。
宣伝とか見ても映画版の企画やメーカー側にとってはそういう硬派な要素は考慮してなかったと思います。
アニメーションならではの魅力である疾走感、ダイナミック、硬派な要素を入れても、お涙頂戴親子物語という主軸のせいか浮いてしまいました。
もし主軸が「生きる事」「戦う事」「宿命」「無慈悲な〜」で、味付けが「ハートフル」で
絵柄ももっと硬派だったら疾走感、ダイナミック、硬派な要素が映えたと思います。
疾走感、ダイナミック、硬派な要素は主軸や絵柄からしてそういうアニメで活かすべきだと思いました。
Comment by 部課 - 2012/7/29 Sunday @ 2:19
この映画は最近でもどこかで上映会をやったそうです。先月の9月でもやったそうです。
今更ですがおまえうまそうだなという映画の事でコメントしたいと思います。去年のアニメージュの8月号のこの人に話を聞きたいでおまうまの藤森監督のインタビューが載んでたのを見たのでが実は、「ほのぼの〜」っていうのは監督に対しては失礼なことなのかもしれません。
2011年アニメージュ8月号はAMAZONで中古販売しているかもしれません。
上層部の意向は知りませんが、監督としては「捕食する側とされる側のテーマの話だったから、やっぱりそこから逃げて作る事は出来ない」「自然描写も含めて、ちょっとリアルに世界観を作らなくてはいけない」「人の生き死についてはあまり嘘をついちゃいけないと思う」 と寧ろ客観的とも言える発言もしていました。生き死に関しては、忍たまの映画についても「そこのギリギリのところをどこかなどこかなと探りながら作ったという部分はありますよね」と言っていました。
またお母さん恐竜がまた子供を生んだ所についても「お母さんにも普通の女性としての性がある」「生々しい感じが出るといいなとは思っていました。」とも言っていました。
いずれも子供向けという媒体上、表現規制の問題には勝てなかったのでしょうがその枠の中で表現しようとしたのかもしれません。
プロデューサーからは「とにかく女の人が泣ける話を」と言われたようですが、それについても「人が死ぬか別れるかと言う小手先のテクニックで泣かせたくない」って言ってるんであって”可哀想な話”が嫌だと言ったわけではありません。実際、キャラが死ぬシーンで泣かせるより虚しさとか冷徹さを表してる漫画アニメドラマはあります。ゴンザが倒れる所も泣ける演出というより、無常さを感じられる演出だったと思います。(悪い意味ではなく)
個人的にプロデューサーの「とにかく女の人が泣ける話」という要望や企画や宣伝の「心温まる」を強調が無茶だと思いました。大人の事情は知りませんが。仮にも恐竜世界で捕食者と非捕食者の問題も出てくる映画なのに「女の人が泣ける」「心温まる」路線ばかり押し付けられてもねえ・・・と思いました(作品にある要素の1つとしては良いのですが)。子供だって場合によってはシビアだし媚びられるのを嫌になる事はあると思います。子供向けの作品や書籍でも子供にわかるように伝えた、ハードな話のやつもありますし。
「女の人が泣ける」というのは死の描写についても綺麗事のイメージがありましたので。本当にハードなものは死の描写についても「泣ける〜」ってよりも冷徹さを表す事が多いと思います。昭和時代にあったやなせたかしさんの「チリンの鈴」も死が出てきますが、泣かせる為のシーンではなく厳しさや虚しさを表したものでした。
そしてインタビューの画像は
http://yakisanma.btblog.jp/cm/kulSc37VK4F993C22/1/の「今更だけどおまえうまそうだな」というタイトルのコメントの部分の画像です
Comment by 絶太 - 2012/10/8 Monday @ 18:32
長文な上に制作スタッフや原作者の裏話も踏まえた意見なので不愉快に感じたら申し訳ありません。
裏話なんて客にはどうでも良い事かもしれませんが、中には「おいおいそれはないだろ」と感じるのもあります。
■映画版のコンセプト等
そこで、映画版は、作者の方が企画会議にも参加して「原作と違うもの」と意見を言った事から、
割と最初から原作とは違う物になる事が決まってたようですね。宮西達也さんのインタビュー
http://www.netdetirasi.co.jp/cinema/interview/059.php
http://mi-te.jp/contents/cafe/1-9-742/
少なくともセールス側にとっては、これはありがたいと思ったかもしれません。
「原作と違うもの」って頼まれた以上、原作よりもキャッチーさを優先するという余地も出来たのですから。
■スタッフの考え
でも実際にスタッフにとっては、上層部の考えはそれほど本意じゃなかったってのもあながち間違ってないのかもしれません。
インタビュー(アニメージュ2011年8月号にあった)でスタッフの発言が少なからずありますが
これについて触れた意見を言おうと思います。
http://photozou.jp/photo/photo_only/2860818/156276493がそのインタビューです。
スタッフにとっては、同じ「原作と違う物」を意識しててもプロデュース側のような「とにかく女性が泣ける」という物よりも、
もっと他の要素も意識したかったみたいです(女性と言っても色々あるのは本当ですよ)。
映画版は作品紹介やコンセプトと、映画スタッフのインタビュー画像を見比べて見ると、
いかに映画の売り手だか企画は本当に重要な物は二の次でとにかく「可愛さ」「ハートフルさ」ばかりに拘ってるかのように見えました。
しかし、今の所、映画スタッフの発言ではそういうあれだけプッシュされてた
「可愛い」「ハートフル」部分にあまり触れてないのも確かです。
そればかりか、「捕食者と非捕食者の関係で〜」とか「自然描写を〜」とか
「”泣ける”という題目だけで1本の映画を作るのに抵抗あった」とかと言ってるので、
上層部の意図はあまり本意じゃなかったかもしれません。
■作中の台詞の一部とお母さんへの評価
作中でも、マイアサウラのお母さんについて「どうするつもりだったんだ」「こいつ(ハート)を一生苦しめる気か」と言ってた
肉食恐竜のボスがいました。マイアサウラのお母さんが育てなければ今はいなかったという事も認めていましたが、
ああいう詰問をさせたので気になりました。
この肉食恐竜のボスの怒り台詞もスタッフの抵抗にすら感じたのですが考えすぎでしょうかね?
そして、スタッフ自身もこのマイアサウラのお母さんについて「浮世離れしたところがある」と評していました。
このマイアサウラのお母さんへの発言は上にあるインタビューの画像に載っています。
■映画の絵柄
映画の絵柄に関してもスタッフの反応で何か含みを感じましたね。
一見、映画のデザインについて褒めてるように見えますがマイアサウラのデザイン以外は特に触れていませんからね。
マイアサウラのお母さんのデザインについては褒めてても、他のデザインについては特に褒めてる様子は見掛けませんでした。
(ただし、マイアサウラのデザインも絵本と違うのでその意味では不満に思う人もいるかと思いますが)
アニメージュ2011年8月号は自分の手元にもあるのですがその褒めてた発言を引用します。
「あんなシンプルなキャラクターなのに、眉毛もないのに、ここまで表情を出せるのかと。
あの辺はやっぱり柳田さんの力のおかげです。お母さんがあんなに生々しくて色っぽいのも、柳田義明さんの力ですよね。
お母さんの色っぽさは想定外だったんですが。」
マイアサウラのお母さんのデザイン以外での発言だと「丸っこいキャラだけどカッコイイアクションをやる」的な部分くらいでしょうか。
これだけだと他のデザインについては褒めてるのかどうかわかりません。
そもそも、他キャラのデザインについてもどこまでがスタッフの発案なのかどうかわかりません。
誰かから「丸っこいデザインにでもしてくれ」と頼まれたからなのか、そうでないのか謎ですからね。
■原作者の思い
原作者の宮西達也さんについてこういう話もあったらしいです。
http://mcgeorge.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/10-344a.html
・「大人が読んで楽しいから子供にも面白い」
『おまえ うまそうだな』は7年前に発表。弱肉強食の厳しい自然界で本来、相いれない“親子”の関係を描きながら、
「種族の違い、敵対する者同士の壁は越えられるのか」と問いかける。
小学校低学年までが対象年齢だが、硬派なテーマが受け、大人のファンも数多く獲得している。
「最初から子供向けにと考えて描いていません。大人が読んで楽しいから子供も面白いと思えるのです」
■もしもの話
そして、今となっては野暮な話ですが、もしスタッフも映画版の上層部の意図を無視して、
もっと好き勝手やっていたらまた内容が違ってたかもしれません。
出来はどうなってたかは知りませんが、実際よりもスタッフの意図が強調される内容になってたかもしれません。
裏話を読む限り、手放しに好き勝手する余地があったわけでもないんだな、と思いましたから。
映画版は作品紹介やコンセプトと、映画スタッフのインタビュー画像を見比べて見ると、
いかに映画の売り手だか企画は本当に重要な物は二の次で
とにかく「可愛さ」「ハートフルさ」ばかりに拘ってるかのように見えました。
その上、プロデューサー側からの「とにかく女の人が泣ける物を作ってくれ」という要望に
最終的には「泣けるという部分を苦労していれつつ」と言ってるので、少なくとも好き勝手やったわけでもないと思います。
■とにかく女の人が泣けるという要望
映画はプロデューサー側からそういう要望があったようですが
要望ですが女性についても色々ありますよね。漫画アニメファンが好むような絵柄じゃないし、
漫画アニメゲームにあるようなイケメンキャラの話でもないし、ライダーみたにイケメン俳優も出ないし、
映画版あらしよるにみたいに細かい絵柄のヤギと狼の友情物でもないからです。
これらの要素も無しで「女の人が泣ける」っていうのは女の人をも馬鹿にしてると思いました。
ただ可愛いキャラでほんわかストーリーでも作れば、女の人が喜ぶとでも思ってたのでしょうか?
Comment by ナット - 2013/1/3 Thursday @ 0:04