でかいの日記帳

2010/7/12 Monday

ザ・ウォーカー

Filed under: - dekaino @ 8:00 このエントリをはてなブックマークに追加 吟祉若爾里呂討Bookmark被リンク数

ザ・ウォーカーを観ました。
原題はTHE BOOK of ELI。Eliというのは主人公の名。直訳すればイーライの本です。タイトルが示すとおり主人公が持っている本が本作のキーアイテムです。

舞台は世界大戦から30年たった文明が滅びた世界。人口は激減したがまだ少し生き残りがいる北斗の拳のような世界観です。生き残り達の集落間を渡り歩く旅人のことをこの世界ではwalkerと呼んでいます。つまり邦題のザ・ウォーカーは複数いる旅人達の中の一人の主人公のことを言っていると思われます。また、戦後生まれつまり30歳未満の若者には文字が読める者がほとんどいないようです。

キリスト教文化に強い思いがない限り本作の楽しみどころはアクションしかありません。幸いなことにアクションは冴えてます。文明崩壊後の近未来バイオレンスアクションとしては及第点。

これ以降ネタバレのツッコミになります。

件の本は要はこの世界の最後の一冊になってしまった聖書というオチですが、これが欽定訳(KJV)なんですね。たった400年前に成立した英語翻訳版、いわばコピーにコピーを重ねた劣化した複製が残っても伝統を残すことになるのか疑問です。なんたって教祖の名前が訛ってる翻訳版だし。「ジーザスとは俺のことかとイエス言い」
それ以前の1600年のキリスト教の歴史が失われること必至。ギリシヤ語写本とはいわずともせめてウルガタ版(標準古典ラテン語訳)を残さないとダメでしょ。ちょっと隣のメキシコにいきゃごろごろあったはずなんだから。アメリカ人にとって欽定訳こそが聖典なんでしょう。さすが歴史が浅い国。

また、点字版聖書の解読なんてあれだけ部下をじゃんじゃん殺す気合があるなら、点字とアルファベット/数字の換字表作るくらい簡単だと思うんだけど。たった36種しかないのに… そこまで絶望しなくてもいいんではないか?

それから、将来この世界からは英語という言語が消滅すると思われます。かつて広い範囲で通用していた古典ラテン語が変容し分裂したいったように、北米大陸には英語起源のたくさんの方言が地域ごと別々に話されるようになるでしょう。なぜならラジオも字が読める読者もいない世界なのだから。

本作の世界の未来は暗く文明復興の望みは薄いといわざるを得ません。

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