仏陀再誕
仏陀再誕を観ました。
幸福の科学製作の宗教アニメです。前に類似作の永遠の法も観ています。
前作と比べて、宗教抜きでも結構面白く楽しめるようなつくりになっています。
永遠の法は、無駄にすごい作画をしているのに演出的にはまったく無意味だったりして、お役所的に潤沢な予算を無理やり使い切っているようなところがありましたが、本作ではうまくスポンサーを騙して自分達の作りたいものを作ってしまったような詐欺的要素があります。たとえるならオモチャ屋を騙して作ったガンダムとか、パチンコ屋を騙して作ったアクエリオンやらグレンラガンのようなものです。または濡れ場さえ出しておけば何でも撮れた日活ロマンポルノみたいな路線。とにかく作りたいように作るんだという作り手の叫びが聞こえてくるようです。
演出、作画、声優がかなり豪華でしかも意味のある使い方をされています。
特に銀河万丈が演じる悪の教祖の演説はアツい。ギレン総帥の演説級です。これだけ聞いても元はとれます。
コロナ小田原で土曜日の朝イチの回で観たのですが、劇場はほぼ満席でした。しかも観客同士が顔見知りのようで、劇中の仏陀の生まれ変わりである空野太陽が法を説いているシーンでは手を合わせて感動しながら見ている観客が多数。宗教的にものすごい盛り上がった雰囲気の中での鑑賞となってしまいました。
ストーリーも永遠の法のように、アインシュタインは悪魔の手先だ! みたいな噴飯話はでてこず、幻魔大戦的に、日常からいきなりUFOが攻めてくるとか大津波が来るとか、80年代SF戦争映画のノリで宗教風味の超能力バトルものとしても楽しめます。
まぁそれでも幸福の科学の教義についてはきっちり説かれるのですが…
- 無神論/唯物論は間違い → 霊魂や死後の成果は存在する
- 宗教といっても悪魔の手先の団体もある (敵対教団
- むさぼる欲 怒り 愚かさ の3つをなくそう
上に列挙した話が繰り返し繰り返し出てきます。ここだけは非信者にとっては あーそー と流すしかないです。
そもそも「仏陀」って悟りを得て解脱を実現した者。解脱とは輪廻の牢獄から解放されることで、もうこれ以上転生しないで済み現世の苦難から脱することに成功した人を仏と呼ぶわけで、仏陀が再誕するって矛盾もいいとこ。もし再誕したら実は仏陀ではなかったということになり、もう何が何だか。
ネタとして観るには面白い作品。
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