007/慰めの報酬
007/慰めの報酬を観ました。007最新作にして、ボンドをダニエル=クレイグが演じる作品としては2作目です。
今回の敵はMI6の内部にまで手先がいる正体不明の組織Quantum、なんかハードディスクドライブメーカーみたいな名前です。この組織が隠れ蓑としているのがエコ・グリーンと言う環境保護団体。
なかなか現代社会に即したうまい設定です。実在するエコとかグリーンとか騒いでる団体って確かにうさんくさい。石油メジャーならぬ水メジャーとして水利権ビジネスで貧困国から搾取します。
(水メジャーは実際にフランスやイギリスにある業態)
クレイグのボンドはダジャレはまったくなく、完全な肉体アクション派、しかも結構泥にまみれる系です。
そしてスタイリッシュなかっこよさもあります。イタリアでプッチーニ作オペラのトスカが上演されている中でのQuantam幹部の会合&ボンドの介入のくだりが優雅かつ現代的でかっこいい。古き良きゴルゴ13が出てきそうなスパイ映画風でもあり、しかし古臭くなく現代的なスタイリッシュさがあります。
マチュー=アマルリックが演じる悪役エコ・グリーン代表のドミニク=グリーン(スペルはGREENE)はひょろひょろの優男、いかにも証券会社か投資銀行にいそうなインテリタイプなのですが、それなりにアクションをこなします。
ボンドガールズは今回は2名。ヒロインで話にバリバリ絡むカミーユと薄幸な事務員ミス・フィールズ。私はミス・フィールズの方が好きだなぁ。でも本当に薄幸過ぎてかわいそうです。
ウィットとか笑いとかの要素は少なく、勤勉な肉体派スパイってちょっと007シリーズじゃなくてもいいんじゃないかと思いますが、駆け出し時代の007という苦しい言い訳しかないかな。毎回お楽しみのガジェット(面白メカ)はほとんど出番なし。ボンドが使うハイテク機器といえばせいぜいGPSとカメラ機能が搭載された携帯電話くらいか。こんなの日本の中高生でも持ってます。
CIAが初めは敵対的なのに、人事異動によってちょっと話がわかるように変わったと言うくだりは、CHANGEがスローガンの政権交代を反映しているのかもしれません。
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