でかいの日記帳

2008/4/8 Tuesday

ドラえもんのび太と緑の巨人伝

Filed under: - dekaino @ 20:38 このエントリをはてなブックマークに追加 喝お膩綏篋坂のはてなBookmark被リンク数

劇場版ドラえもんのび太と緑の巨人伝を観ました。
新キャストになってから3作目、初めてのオリジナルストーリーです。
オリジナルといってものび太と雲の王国のオマージュというか翻案したもので、完全なオリジナル新作とはいえないかもしれません。
のび太と雲の王国は制作中に藤子F不二夫先生が病に倒れ、残念ながら歴代ドラ映画の中でも完成度が低い作品でした。エコがテーマで設定としては悪くないのでうまく再利用しようという狙いだったのでしょうか?

しかし本作はかなりグダグダの出来上がりとなってしまいました。各パートの作画や演出はよくできているのに構成が全然ダメです。言い換えると、分業できるパートはある程度のクオリティに達していますが、脚本や構成などの分業できないパートにおいてもうグダグダです。
上映時間が112分と低学年にはつらい長さであるのにもかかわらず、高学年のお子様にとってはグダグダさが理解できてしまいやはり楽しめません。緑の惑星と地球の間の移動が上手く表現できてないところが特にグダグダ。説明的セリフで「この洞窟を通り抜ければ地球だ」って演出としてどうなんでしょう? これ一応劇場版だね? なんとも中途半端な仕上がりです。

また藤子F不二夫的なSF要素も皆無です。いきなり植物星人たちが日本語を話すのですが、ここは藤子F不二夫が健在であれば必ずホンヤクコンニャクを出しているところ。こういう細かいツッコミどころをご都合主義で無視せずに、ユーモアを交えた説明をつけるところがいかにもドラえもんというSF。こういうSF考証がまったく抜け落ちています。
だいたいドラえもんの秘密道具があらかた修理に出してて使えないって無理設定を導入しちゃってる点で本作はドラえもんである必要はないのです。
ぶっちゃけ21えもんご一行が主役でも全然問題ないストーリー。

伏線らしきものをばらまきながらまったく回収せずよくわからない決着がつくという、旧キャスト版後期作品(雲の王国もそのひとつ)にありがちなストーリー展開は、上手く再現できているというかそのまんまです。当時の作品と同じように、マンガ版を先行して制作して、それを追いかける形で劇場版を制作してたのでしょうか?
渡辺歩監督って中編ではきっちり構成を作りこむやり方をしていたのに、長編ではなんでこうなってしまうのかなぁ…

ちなみに通りすがりの堀北はまんまディアナ様でした。

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