バンテージ・ポイント
バンテージ・ポイントを観ました。原題はVANTAGE POINT、「見通しがきく場所」って意味の言葉です。
群衆の前で演説していた大統領が狙撃されるという事件について複数の視点でみていくというコンセプト、上映時間は90分と短いのですが、かなり密度が濃い作品です。
舞台となったスペインのサラマンカはかなり歴史がある都市で、旧市街は世界遺産に指定されています。旧市街の石畳の道と新市街の高架のフリーウェイが混在する中世と現代の混在する風景が面白いです。
各登場人物は、役名通りのステレオタイプというかわかりやすい性格付けがされています。米政府の役人は役人らしく有能だが暴走気味、米国人の観光客は善良であまり頭がよくなく、そして家庭に問題を抱えていたり、現地の警官はまさに警官らしい性格、まぁ尺が短いのでそんな深彫りもできなかったろうし、本作品ではそこは重要ではありません。
ただ、狙撃される米大統領は、戦争を始めるのではなくて終わらせるぽりしーを持つという設定で、まさに反ブッシュ的な大統領。今のアメリカではブッシュってほんと人気がないんだなと思わされます。
もし時間があるなら、入替制じゃなくて一回入ったら何度でも観られる映画館(たとえば横浜近辺ならムービルとか)で、続けて2回観るといろいろ発見があって面白いと思います。2回みたって3時間だから、最近よくあるだらだら長いだけの映画に比べれば全然だるくないです。
かなりの良作。面白いです。