魍魎の匣
魍魎の匣を観ました。京極夏彦のベストセラーの映画化。姑獲鳥の夏の続編になります。
キャラ設定も役者も前作と同じですが、監督は違います。前作の姑獲鳥の夏を撮った実相寺監督は残念なことに撮影後しばらくして亡くなってしまい、前作が長編では最後の作品となってしまいました。今回の監督は原田眞人。もちろん実相寺とはまったく作風が違います。
いわばルパン三世劇場版のルパンvs複製人間とカリオストロの城のような関係で、設定は同じシリーズではあるのにまったく違う作品となっています。
原作は京極堂シリーズの中では一番壊れている話といってよく、まったくミステリではなく、幻想小説といった方が正しい作品。これをうまく再構成して一般人にも理解しやすいようにミステリ映画っぽく仕上げています。時間軸もかなり入れ替えて、関係のないと思われていた事件が実は1つの糸でつながっており、それが明らかになっていくという構成がわかりやすい。これはなかなかの手腕だと思います。
しかし逆に原作の幻想度がほとんど削り落とされてしまっている感もあります。要はこれは原作のダイジェストであり解説文のような作品です。
勢いで押しまくってる原作だともはや考証ミスみたいな重箱の隅をつつくようなことは野暮に思えてしまいますが、ここまで整理されるといろいろアラが見えてきてしまうかも。
映像面では、三丁目の夕日シリーズのような昔の日本をCGやセットで再現する意向が強く見られます。ただし昭和30年代ではなくて20年代、いわゆるOccupied Japan時代です。占領下の復興期にあたる日本。団塊の世代にはこの時代も懐かしく思えるのかもしれません。
この後の続編は作られるのでしょうか?
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