腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
腑抜けども、悲しみの愛を見せろを観ました。
佐藤江梨子、佐津川愛美、永作博美など粒ぞろいの女優陣が出演しています。
ストーリーは大変よく練られています。もともとは舞台用の戯曲が原作らしい。伏線がすべて有効に機能しています。それだけでもとても面白い。
エロ表現もそこはかとなく下品な感じであって楽しい。本作にもっとエロシーン増やせばそのまま日活とか東映の変り種ポルノ映画で通りそうです。
発言小町とか2chの既婚女性板に出てきそうな面白いけどコマッタさんな家族ネタに、ブラックな笑いをふんだんに散りばめたホームコメディドラマ(?)というのが基本ライン。深読みすれば、表現者としての葛藤や、表現されて傷つく周りの人間とかもテーマに入っている感じです。
舞台となる集落をド田舎と劇中で言ってますが、これは清深(妹)視点で語られているからでしょうか? 画面で見る限りそんな田舎でもない感じ。自転車で通える距離に高校があるし、15分でコンビニに行けるし、水田あるし(笑)。真の寒村は米が作れる土地にはありはしない!
ケータイが圏外というのも単にそういう時代だったというだけで、2007年なら路線バスが存在する集落すべてが圏外だというのはありえないですね。時代設定としてはおそらくバブル全盛で高校生はケータイじゃなくてポケベルを持ってた頃のなんじゃないでしょうか? インターネットとかWWWは一般に認知されていたけど、2chがまだなかった頃。
ちなみに撮影現場は能登半島の北半分のようです。今は能登空港が出来たおかげで東京からのアクセスはかなりいいので撮影しやすかったのでしょう。海産物も美味いし。撮影は2007年3月の能登半島地震より前だったのかな? 特に地震の形跡は見受けられませんでした。
よく練られたシナリオなのでつっこみどころは少ないのですが、真っ赤な便箋に使える修正液ってドンナノ?! ここだけは気になってしょうがないです。
今回本作を観たのはMOVIX橋本です。ここはいわゆる郊外型シネコンなのに単館系作品を半年遅れぐらいで上映してくれるのでなかなかいい感じです。海老名のワーナーマイカルとTOHOシネマズは、マイナー作品についてはまったく弱いので、MOVIX橋本はマニアック枠には大変助けられています。