真救世主伝説北斗の拳ラオウ伝・殉愛の章
真救世主伝説北斗の拳ラオウ伝・殉愛の章を観ました。
正直タイトル長いです。というか北斗の拳2006とかでいいじゃん。
昔の東映アニメーションの北斗の拳アニメとはまったくスタッフが違います。シナリオも声も作画もすべてが違う。
お金の世界では井本満が仕掛けた映画ファンドという視点で注目されてますし、ジャンプ黄金期マニアには堀江信彦(現コミックバンチ編集長・コアミックス社長)作品ということで注目されている話題作。要は、とりあえずパチンコ業界でめちゃくちゃ儲かってる北斗ブランドを使って映画でも儲けちゃおうって企画です。
まず、旧作との一番の違いは千葉繁の不在。千葉繁がいないだけでこんなにも雰囲気が変わるのか!! 冒頭の『センキューヒャクキュージューエックスねぇぇぇん』って叫びがないとかなり寂しいです。
その他にも声優が本職でない俳優が多く採用されているのですが、さほど違和感はありませんでした。特に阿部寛はノリノリでした。かなりイケてる。そしてラオウが饒舌です。口調は朴訥としているのだが、何かとしゃべりすぎ。ラオウは「ウム」とか「ヌゥ」とかうなってればそれで存在感十分過ぎるんだよ。下手にしゃべるから小者に見えてしまう。
そしてケンシロウは救世主ではありません。旧作ではケンシロウが行くところすべて救われてみんな幸福になっていたのですが、やはりたった一人の拳法家ふぜいに世界が救えるわけがありません。悪いチンピラをたおすのがせいぜいで決して世界を救えてないのがリアルです。サウザーを倒したってボスがラオウに変わるだけなんだもん。奴隷達も救われないです。
ウッディ大尉に「うぬぼれるものではないよアムロ君。君一人の力で戦局が動いたり、マチルが生きたり死んだり、そんなあまいものではないのだよ。」とたしなめられたアムロのような立ち位置です。
観客は結構入っていたので興行としては成功の部類だと思います。純粋に映画としても結構いい出来だと思います。北斗ファンはぜひ観るべし。