パッドマン 5億人の女性を救った男
1ヶ月フリーパスポートふたたび シリーズ第2弾
パッドマン 5億人の女性を救った男を観ました。女性用生理用品をインドに広めた男の話です。ただし実話が元の作品ですが脚色はものすごく入っているようです。
本作はインド映画なんだけどインド映画ではない。なぜならエンディングのタイトルバックで役者総出演で踊り狂わないから。国外 とくに北米の観客を対象にした映画という感じです。もちろん歌と踊りのシーンがまったくないわけではないのですがかなり従です。
誤解されがちですが本作は古い因習を非難して西洋の開けた思想を啓蒙する話ではありません。西洋資本主義的な利潤追求の姿勢も同じく批判しているのです。理想はお金儲けではなく多数の貧しい女性への救済なのです。
ここらへんがインドっぽいと言えばインドっぽいです。日本人にわかりやすく例えるならば「徳が高い」人間を大衆は尊敬するし、困難なことだけれども自分もそのような人間に(可能なら)なりたいという心情です。
主人公のラクシュミは古い教えを守る共同体で生まれ育ち、教育はなく英語も話せませんが、機械いじりが得意という設定です。劇中では北インドの話になっていますが本当のモデルは南インド タミルナドゥ州の機織りカースト共同体で生まれ育った男だそうです。織物に慣れ親しんだ環境だからこそ生理用ナプキンを自前で安く作るという発想が出たのでしょうね。
当然男が女性の生理用品に関わるなんてと社会的に拒絶され共同体を追い出されてしまうのですが、現代インドは懐が広くそういうカースト外からもなり上げれるようになっているんですね。本作ではシーク教徒の教授やその娘がラクシュミの理念と発明した機械に共感して引き上げてくれます。
シーク教徒といってもほぽワールドワイドな資本主義てき思想を持っている父娘は、ラクシュミの発明を特許にして大儲けしようとの勧誘しますが、ラクシュミは応じません。そんなことをしたら貧しい女性たちが買える値段で提供できなくなってしまう。大切なのは自分の儲けより人々の救済だと。いやー徳が高いですね。
さりげなく演出されますが、父娘はワインは飲むし鶏肉を食べますが、ラクシュミは菜食主義で酒もやりません。共同体から追放されても戒律を守っているわけですね。ここらへん徳の高い人になりたい気持ち、欲求が見え隠れします。そしてクライマックスが国連本部で演説。つたないブロークン英語で自分の主張する姿に、国連に集まった賢い人々が大感動しちゃいます。世界におけるインドの立ち位置の縮図みたいな話です。
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