SUNNY 強い気持ち・強い愛
SUNNY 強い気持ち・強い愛を観ました。韓国の同名ヒット作を日本を舞台に翻案したリメイクですが予測を超えた面白さがあります。原作付きなのでストーリーの根本はすでにできているわけで、そこに付け足すディテールが素晴らしいのです。
まず学園ものとして正しい予算の使い方をしています。ダンスができるエキストラ生徒役を集め、校内で踊るモブダンスが素晴らしい。1995年当時の再現も変にCGなど使わずに学園祭の劇感覚の小道具でうまく再現していていいです。
ストーリー設定も無駄にリアルな設定をしているように思えます。たとえば奈美(篠原涼子/広瀬すず)が転校してきた理由、これ間違いなく阪神淡路大震災で被災して職をなくして一家丸ごと東京に出てきたって流れですね。リアルかつ女子高生目線でのみ語られるので、くどくないです。
そしてストーリーのきっかけとなる末期ガンの芹香(板谷由夏/山本舞香)ですが、彼女の行動は突飛なように見えてとてもリアル。おそらく芹香はホスピスケアとしてモルヒネの類を鎮痛剤として処方されているんですよ。モルヒネって要はアヘンだからもう恍惚感とか万能感にあふれちゃってもともと傾斜にありがちな躁気質を倍増してしまいイケイケガンガンになっちゃってるわけですよ。裕子(小池栄子/野美桜)の夫の浮気で「やっちまえー」って集団で襲い掛かったシーンも映画のノリのデフォルメ演出とかではなくて、モルヒネでハイになってると考えると納得できます。だからこそ遺産とかも大盤振る舞いしちゃうわけで。何回か芹香が病室で苦しむ描写もありますが、あれモルヒネの離脱症状(禁断症状)なんだと思います。どうせもうすぐ死ぬ知って習慣性のことは気にせずガンガン処方はしてるのでしょうが、さすがにこれ以上処方すると死んじゃうって域まで行っちゃってるわけです。でなかったら鎮痛剤を打たない理由がないですもん。そしてそんなことやってるから告知した余命より早く死んでしまうわけで…
ほんと金持ちのホスピスケアにありがちなリアルな描写 本当にありがとうございます。
このように考察すればするほど味が出て楽しめる、スルメのような作品です。音楽とダンスも素晴らしく、ヒットしているのも納得です。、
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