ビッグ・アイズ
ビッグ・アイズを観ました。
50年代~60年代にアメリカのポップアート界で大ヒットしたBIG EYES(または CRAZY EYES)シリーズの絵画。名義はウォルター=キーンだが、実は描いていたのは妻のマーガレットだったという今となっては何で? という感じの大スキャンダルの実話ネタをもとにした映画です。
監督はティム=バートン。バートン監督作品にはこの手の山師的な話を膨らませるキャラがよく出てきますが、やはり実話のキャラはすごいです。
いま考えると、なんでわざわざ夫の作品と称して世に出したのかそこから疑問ありまくりですが、当時のアメリカの社会的・宗教的倫理観にある家父長制、この一家の長たる父が対外的にすべて総取りするという考え方が当然という時代だったわけです。この古い価値観と革新的なアート界の常識のズレが産んだ悲喜劇だとも言えます。
マーガレットは当時女子で美大に通えていたことから、いいとこのお嬢さん、裏を返すとばりばりの保守的な一家出身であることがわかります(劇中でマーガレットはもともとはメソジスト派教会の信者だという典型的プロテスタント)。そのようなバックボーンからくる家父長制の縛りがんじがらめになっていたのでしょう。夫と別居しハワイに移住した後、より個人主義的なものみの塔に転宗することで初めて夫を名誉棄損で訴訟することができたわけです。洗脳って怖い!
夫ウォルターは嘘をつき続けているうちに自分でも嘘を本当だと信じ込んでしまうちょっと危ないタイプ。金が絡むと本当に怖いです。
このような怖い話をティム=バートンがコミカルに描写する作品です。実話通りそれなりのハッピーエンドで終わるので安心してください。
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