ダイバージェント
ダイバージェントを観ました。
100年後のシカゴが舞台の未来SFです。過去に厄災があって人類がほとんど滅びてしまい、シカゴの外に人類がいるかどうかも分からないような世界設定で、分類するならディストピアものです。
生き残ったシカゴの人々は5つの派閥がある社会体制で生きています。この5つの派閥に属せない人々はホームレスのような生活を送るしかありません。
主人公の少女は生まれ持っての特性が複数の派閥に向いている異端者(ダイバージェント)で… というストーリー。
ちゃんとSFになっているのですが、現代アメリカの社会構成を知らないと面白く気がします。
主人公が生まれた無欲はアーミッシュみたいな敬虔な宗教心に基づく強い戒律に従う超保守コミュニティ。でもなぜか宗教臭い無欲がシカゴの政治指導層の役目を担っていて、それを面白く思わない博学派閥が勇敢派閥を利用して政権奪取を狙うというのが主な筋立てです。
進化論なんか認めたくない宗教中毒のような平均的アメリカ人の妄想があふれています。
科学技術を開発する博士みたいな類の連中は悪賢くて信用できない。そして軍そのものは悪ではないが愚かなので博士たちに騙されているんだって思想です。食糧を生産しているはずの平和派閥がほぼ空気ってのがまた興味深いです。また弁護士とか法律担当が、博学には含まれず、高潔派閥っていうのもアメリカ社会っぽい。
SF的ギミック描写にはいろいろ穴がありますが、青春ドラマとして考えるとまぁまぁよくできています。若い少女が年上のお兄さんに初恋しちゃうけど、簡単には誘惑に負けずに貞操を守る系ですね。明らかにターゲット層が宗教右派なんだよなー。
日本のマイルドヤンキーな若者にはウケが悪そうな話ではあります。
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