ジョバンニの島
ジョバンニの島を観ました。
日本音楽事業者協会創立50周年記念作品としてProductionI.G.が製作したアニメ作品です。
なんか誰かが騙されてる気がしないでもない。
1945年夏、ソ連軍がいきなり色丹島を占領した当時に島に住んでいた一家のストーリー。
ちょうどロシア軍がクリミア半島を占領した当世時事ネタとリンクしてますね。
といって集客効果があったわけでもなく、客の入りは相当さびしいようです。
話は火垂るの墓にも通じる戦後混乱期の哀しい話ですが、火垂るの墓と違うのは兄弟のうち兄の方は生き残ってるってところです。本作は全編通じてその兄の回想という形で、兄の一人称視点で表現されます。当時国民学校の生徒だった主人公の視点なので、小難しい大人の事情は理解できないまま子供の世界だけが表現されています。
子どもの視点でも、融通が利かず無為に死んだ父、融通が利き過ぎて胡散臭くもある叔父、そして意外とビッチな国民学校の女教師、大人キャラはなかなかいい味を出して楽しく描写されてます。
そして主人公の弟については、たぶん自己罪悪感から逃れるためか、長年の経過で記憶が都合よく修正されているとしか思えません。なぜか病弱の弟が突然元気になって自己主張するシーンは明らかに記憶が修正されてますね。どうにも筋が通らない。
「俺は悪くない、弟が行きたいの駄々をこねたんだ!」ということにしないと心が耐えられなかったのでしょう。
タイトルのジョバンニは宮沢賢治の銀河鉄道の主人公の名前で、本作主人公のジュンペイもジョバンニのもじり、弟のカンタはカンパネルラのもじりで名づけられたとの設定です。
両親が銀河鉄道が好きだったって設定だけれども、宮沢賢治が流行ったのって版権が切れた後なのでちょっと時代があわないかも。そうでなければ相当の文学オタクです。
コメント »
この投稿へのトラックバック URI
https://wwws.dekaino.net/blog/index.php/archives/2014/03/22/1152/trackback/
この投稿には、まだコメントが付いていません
Leave a Comment
改行や段落は自動で挿入されます
メールアドレスはブログ上には表示されません
利用可能な HTML タグ : <blockquote> <code> <em> <i> <strike> <strong>