ガッチャマン(2013)
ガッチャマン(2013)を観ました。
昔、タツノコとフジテレビが組んでやっていた人気テレビアニメシリーズを、今度は日テレと組んで実写映画化しました。企画の基本フォーマットはヤッターマンの実写映画とほぼ同じです。
ただし、今回はちょっと前宣伝に失敗しているようで前評判がかなり悪い。そのせいか興行収入もヤバい状況です。ヤッターマンは新シリーズをきっちり製作して放送したのに対し、本作では早朝番組の1コーナーのフラッシュアニメと深夜アニメを1クールやっただけでまったく宣伝力が足りない感じでした。
でも、そのフラッシュアニメおはよう忍者隊ガッチャマンの劇場版も併映されてて、これはこれでかなり面白かったです。深夜アニメのガッチャマンクラウズも今風でかなり面白いアニメなんですけどね。でも一般人特にガッチャマンを懐かしいと感じる40代〜50代の層にはまったくリーチいなかったのが残念。
本作も剛力さんがキャスティングされたという点でちょっとだけ話題になりましたが、むしろネガティブなイメージがついただけでした。
映画としての出来でいえば、そんなに悪くはないんです。昔のガッチャマンをそのまま実写化しても絶対につまらなくなるのは明らかなんで、本作のように翻案するのは当然だし、アクションシーンもよくできてるし、平成仮面ライダー的というか石森ワールド的な人類vsミュータントの生存戦争という世界観はアリガチだけど悪くない選択でした。
ただキャラクターにメリハリがなさすぎでつまらない。ここが一番の問題でしょう。
みんないい人過ぎ。原作はもっとみんなトガってたと思うんだよね。南部博士ももっと石頭の政治馬鹿で技術なんかわかってないモラハラ司令官でないといけない。
世界観ももっと直接的に、自我をもつミュータントvs人類に飼われて利用されるミュータントみたいな構図をわかりやすく出せば富野的二面性ドラマにもなりうるのにもったいないです。
昔はCM美少女だった初音映莉子が、色気のない女性誌モデルっぽい女優になってたのがガッカリ。あー、女性受けのよさげな方向に行かないと飯が食えないんだろうなという理屈はわかるけど、残念。
単純にアクションを楽しむだけなら悪くない作品です。