荒牧版キャプテンハーロック
荒牧監督のフルCG劇場アニメ キャプテンハーロックを観ました。
公開3週目に入り上映館もだいぶ少なくなってきましたが、まだまだやってます!
個人的にはガッチャマンよりずっと期待度が高かった本作、やはり面白かったです。
脚本が福井晴敏なのが懸念点だったのですが、変に頑張らず無難にまとめたという感じ。
それより荒牧監督のハーロック世界の再解釈が素晴らしいです。
原作のアルカディア郷の副長のヤッタラン
プラモづくりが趣味という70年代の親不孝通りにいそうな文化系オタクだったのが
本作では下のような肉食系ガチムチ親父系海賊ですよ。
こんなバトルアックスで敵兵士をなぎ倒す新谷かおるって無理あるでしょ
本作のアルカディア号クルーはある意味でベルセルクの鷹の団のようです。
キャプテンのハーロックは、どこかミステリアスで自分の目的を達するためには悪魔にでも魂を売り渡すような男、しかし女子にはモテモテのグリフィス。そして有紀螢は副長的立ち位置で理知的な判断を下すキャスカ。ヤッタランは副長のはずなのにほとんどガッツ切り込み隊長的な肉弾鉄砲玉と化しています。
とにかくヤッタランはキャラが立ち過ぎ活躍し過ぎ、声をやってる古田新太(あまちゃんの太巻)もノリノリです。
三浦春馬が声をやっているイケメンな若者は台場だと思ったら違うんですね。本作オリジナルの ヤマ という青年らしいです。基本的にストーリーはヤマを中心に動きます。ハーロックは本当に枯れているというか作中でも100歳を超えているという設定でブレないんだけど不必要にアツいということもない老成したキャラです。
艦船の表現もかっこいいです。宇宙船なのに排煙もくもく。999の機関車なんか目じゃないくらい真っ黒な煙を放出しまくり。これが不思議とカッコいいんですな。うまく言葉では表現できないんで、百聞は一見にしかず。ぜひ映像をみてほしいです。
世界観的にはマゾーンはいない(orまだ人類と接触していない)みたいなんで、エメラルダスとかもいないのかな? 松本ワールド的にはかなり異端な作品ですが、これはこれでいいのです。
旧作ファンには食わず嫌いにならずに観てほしい作品。