アジャストメント
アジャストメントを観ました。原題はTHE ADJUSTMENT BUREAU。直訳すると調整局? 原作はフィリップKディックの短編小説Adjustment team(邦訳では調整班)で、初出は1954年という古い作品です(米国内ではもうパブリックドメインとなってるくらい古い)。
映画の方はTEAMからBUREAUに格上げになっているように、謎の組織のスケールが大きくなっています。キリスト教の一大命題「自由意志とは?」に絡む話なので当然のようにキリスト教くさい組織で、なんかコードウェイナースミスの人類補完機構のような怪しい組織っぽい描写です。
ストーリーそのものは単純でまさに短編なのですが、演出的に、電王みたいにドアを開けると違う空間につながってる映像表現を使ってて飽きが来ません。なぜこのようなことができるのかは全く種明かし無し、または組織のオーナーは全知全能だからって当然の答えがあるのみ。
初期の作品なのでまだドラッグネタも薄く、ライトなSFとして楽しめる作品になっています。
原作では、戦時下の統制経済にあったアメリカが、戦後に自由主義を突っ走る(反共バリバリ)になっていく時代の空気を、再び世界は自由意志に委ねられたって表現したのでしょうが、21世紀の今となってはどう解釈すればよいものやら?
ディック原作にしては、単純な娯楽作としてシンプルに楽しめる一品。
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