100,000年後の安全
例年6月はあまり大した映画が公開されない梅雨枯れの月間なのですが、今年は大作話題作が集中しています。
それと言うのも、3月11日の震災によって公開が延期された作品や新たに公開が決まった作品の、もともと公開スケジュールがスカスカだった6月に押し込まれたからです。
今回観た100,000年後の安全もそのような震災企画のひとつ。
フィンランドに建設中の高放射能廃棄物の永年処理場オンカロのドキュメンタリー映画です。
施設の設計耐用年数は10万年。おそらく10万年後には現文明は影も形もないはず。事情を知らない未来人が掘り起こしたりしないのだろうか?
素朴な疑問をもってこの一大プロジェクトの関係者にインタビューします。
出来るだけ中立的な立場で制作するように努められた作品です。ただ、日本語版はちょっと危険厨に偏ってる感じ。だいたい原題の"INTO ETERNITY"に比べて邦題のキャッチーなことと言ったら。字幕もかなり意訳されて危険厨よりなセリフになってます。
たぶんこの手の設備は忘れ去られてしまえば勝ちで、一番の脅威は、施設の目的も構造も分かったうえで、プルトニウムなど有用な物質を得るために採掘しようとする企てでしょう。エジプトの大ピラミッドの化粧石だって後世のファラオたちが自分の墓の飾りにするためにどんどん剥ぎ取ってしまって、今はゴツゴツした基岩丸出しの丸裸状態になっているわけです。
BSとかで夜中に放送されてそうな作品。