フツーの仕事がしたい
ドキュメンタリー映画 フツーの仕事がしたいの上映会に行きました。会場は溝ノ口の高津市民館。
ブラック会社なんとかって作品も今週封切されたようですが、本作はリアルなブラック会社の話です。映像素材はすべて本物。編集されてはいるものの、ノンフィクションしかもすべて実名のドキュメンタリーです。
主人公の皆倉氏は住友大阪セメントの孫請け会社でセメント運送をするトラックドライバー。なんと1ヶ月に552時間も働いていました。固定給も有給休暇もなく給与は完全歩合制で運んだトン数で決まるという完全に違法なブラック就業環境にあった皆倉氏が1人でも加入できる労働組合連帯ユニオン(全日本建設運輸連帯労働組合)を訪れたことから話が始まります。ヤクザ(企業舎弟?)が葬式斎場に乱入して大暴れするシーンもまったく役者を使っていないドキュメンタリー素材。真実は小説より奇なりを地で行くような作品です。
完全歩合制の次には、トラックの運用経費分をドライバーに負担させる償却制を強要されます。償却制は負担経費分のマイナスからスタート。何も仕事をしないと給料をもらうどころか逆に支払いをしないといけない過酷な条件です。本当にここは日本かという酷い世界。
最後には親会社が折れて大団円となるのですが、労働問題でこううまく行くのはレアケースだとのこと。
本作の監督の土屋トカチ氏は富士通ゼネラルで働いていたこともあり、溝ノ口は通勤によく使っていた駅だそうです。また、上映会を行った溝ノ口NOCTY2の12Fホールは富士通ゼネラルを辞めた(辞めさせられた)時に失業給付を受け取る前の説明ムービーを観た会場で、何かの縁かも知れません。
編集も変にフィルタされてなくそのまま事実を垂れ流している感じです。皆倉氏が仕事中にトラックドライバー仲間と違法無線使ってるところまでばっちり撮影されてて脇の甘さも感じられますが、これが嘘偽りのない事実の映像ってことなのでしょう。
あらゆる意味でリアルな作品 →公式サイト
1件のコメント »
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>給料をもらうどころか逆に支払いをしないといけない過酷な条件です。本当にここは日本かという酷い世界。
ウチの会社もだよ。って言うか、日本のIT会社の大半が該当するんじゃねーの?
バグが有ると、その分の損害賠償が(偽装)請負ったIT会社ではなく、
プログラマ本人に降り掛かります。(多重)派遣先への交通費・出張費は
もちろん自腹です。だから有能な人程、働けば働く程、マイナスに成ります。
Comment by kaz - 2009/11/29 Sunday @ 20:31