BBCワールドニュース 世界の食文化 シーズン2 第三回
BBCワールドニュース 世界の食文化 シーズン2 第三回は「カナダ・イヌイットのクジラ料理」です
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タイトルにはクジラが出てきますが、冒頭にちょっと出てくるだけでほとんどはアザラシなどの海獣類の話です。原題は「Cold Cuts」冷たい切り身ですから、邦題をつけるときに日本人ウケがいいようにクジラを織り込んだのでしょう。江戸時代の日本の捕鯨と同じようにたまたま沿岸に迷い込んできたクジラがいたら漁をする程度で、積極的にクジラをねらっているわけではないようです。
第一回、第二回と比べて危険度が低いように感じられますが、今回もけっこう危険。危ないのはアザラシ漁ではなく、カナダのイヌイットの文化です。映像に出てくるイヌイット達はカナダ政府の定住政策のため飼い殺し状態。だからといって豊かなわけではなく現金収入は少なく、政府の所得補助金に頼って生活しています。場所が場所だけにスーパーマーケットで売っている食料品は非常に高く、食費の助けとするためだけに漁に出ています。昔はとったアザラシの毛皮などが高く売れたらしいのですが、アサラシ保護運動のあおりで出荷価格も低下しますます生活は苦しいそうです。
今の若い世代は親達の狩猟生活なんかは時代が違うと切って捨て、政府系の職員(公務員)として働き、週1階は宅配ピザをとって家族の団欒を楽しんでいます。減反政策によってタマ抜きにされた日本の農民のように、ダメダメ化してます。
それはさておき、温暖化の影響でアザラシ漁は難しくなっているらしいです。やはり海面が氷結しないとアザラシはなかなか捕まえられないらしい。シロクマが減ってるのと同じ理由ですね。でもアザラシにとっては温暖化バンザイなわけで、一方的に温暖化が悪というわけでもないと思います。
イヌイット文化の珍味としてキビヤックが有名ですが(ウミスズメをアザラシに詰め込んで発酵させたもの)、本番組ではイグナックというこれまた発酵食品を珍味として紹介してました。
これはセイウチやアザラシなどを凍土に埋めて発酵させたもの。昔は保存食として豊漁のときにたくさん作って食糧不足になったときに掘り起こして食べるものだったそうですが、いまは珍味としてもっぱら美味を楽しむために食べられるそうです。基本的にハレの日に食べるもので掘り起こす時は一族が総揃いで集まって分け合って食べるくらいの特別な食べ物。
BBCの取材班のため最後の1頭を掘り起こして振舞ってくれました。これはイギリス人の味覚でも美味だったようです。匂いはどんな感じなんだろう?
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