レッドクリフ Part1
レッドクリフ Part1を観ました。言わずと知れた赤壁の戦いの映画化。監督は呉宇森(ジョン=ウー)。私が見たのは中国語音声で日本語字幕のバージョンです。
基本的には三国志演義をベースとした話なので、劉備は人徳が高い君子の善玉で、曹操は後漢帝国を専横する奸臣という悪玉という人物設定。劉備軍が新野城から敗走して、孫権と同盟、赤壁の地に陣を組み、曹操軍に陸戦で快勝するまでがPart1です。クライマックスの水軍の戦いはPart2までお預けです。
冒頭に三国志世界の背景について説明がこれは日本版だけなのか? 三国志を知らない人には量が多すぎてよくわからないだろうし、といってマンガやゲームで知った程度の人には当然過ぎることばかりで何の助けにもなっていない謎の説明パートです。
存在意義がよくわからない馬の難産シーンで、諸葛亮が見事を仔馬をとりあげます。そして付けた名前が萌萌(もんもん)。なんで もんもん?
しかも諸葛亮に「馬の出産も牛のも似たようなものでしょう」なんて言わせてるし、おそらく女優の牛萌萌にかけたギャグ? よくわからないネタが豊富に折り込まれているようです。
アクションシーンはかなり派手。三国志無双ばりに武将が一騎で出て行って雑兵を百や千くらい千切っては投げの大活躍。もうどうにでもしてくれ的なサイヤ人なみの無茶苦茶な戦闘力です。
時代考証的には矛盾だらけなのですが、そこはあえて目をつぶらないと精神衛生上よくありません。でも、赤壁の戦いの前から「赤壁」という地名があって地図にも書かれているってどうなのよ (赤壁という土地は実在するが、地名は赤壁の戦いがあった故事によるもので、その前に赤壁と呼ばれていたはずはない)
金城武が演ずるスーパー軍師の諸葛亮孔明、劇中中国語音声では普通に「諸葛亮」って呼ばれているのですが、なぜか字幕では「諸葛孔明」出ます。いやいや誰も孔明のコもいってないよ! どうも字幕製作者は日本だと孔明って言わないと通じないと思っている節があります。別に諸葛亮でいいのに、そこまで日本の三国志おたくに迎合しなくてもいいのではないかな?
余談ですが、中国語と日本語で呼び名が違うキャラって結構いて、たとえば西遊記の三蔵玄奘の仏弟子の豚の妖怪。日本だと猪八戒という名が有名ですが、中国では普通に猪悟能って呼びます。三蔵の弟子は悟空、悟能、悟浄とちゃんと統一性が法名を持ってるんです(ただし三蔵本人は弟子達を孫行者、猪八戒、沙和尚と呼ぶ)。これも中国語音声で「悟能」となってても日本語字幕で「八戒」と超訳されてしまうんだろうなぁ
映画の最後、クレジットが流れた後にPart2の予告編があります。当然のごとく燃える展開のようです。はやくPart2が観たい!