兼高かおる世界の旅 南極編3部作
以前にも紹介した兼高かおる世界の旅・再放送 南極編、3週連続の特別企画を3つともすべて見たので紹介します。
これはTBSチャンネルで再放送されている番組。本放送は1971年でした。
スタジオで南極の説明をする兼高かおると芥川隆行(故人)。1971年当時の兼高かおるは43才! とても40過ぎとは見えない! 当時珍しいカラー放送をアピールするためか服装はとんでもないサイケ色になっています。
南極番組といえば昭和基地と思いますが、今回はまったく出てきません。
なぜならば、米軍全面バックアップのジャーナリスト向け南極ツアーに参加したレポートだからです。米軍は昭和基地など眼中にないのです。
まずいきなり米海軍輸送機に乗って空路で南極大陸に上陸です。
宗谷とかしらせで日本から海路オンリーで行く日本隊とは気合が違います
米海軍輸送機内で防寒具の説明を受けるかおる。すべての装備は米軍から無償貸与だそうです。さすが米軍、従軍記者には大盤振る舞いです。
着陸ポイントからこんどは米沿岸警備隊のヘリで砕氷船まで移動
砕氷船も米沿岸警備隊の船です。さっきのヘリはこの砕氷船の艦載機だったようです。
砕氷船でもっとも南極点に近い港、ロス島にあるマクマード基地まで行きます。
ロス島にいる動物とたわむれるかおる。季節は夏なので地面が見えます。
バブルの頃まことしやかに言われたスキーウェアを着ると3割増しで美人に見える効果でしょうか、かおる当時40overとは思えない。21世紀のアラフォーは負けてます。
マクマード基地は南極大陸にある米国基地の中ではもっとも気候が穏やかな場所にあり、いろんな施設があります。アメリカ人たちはここを「南極のマイアミ」と呼んでいたそう。
教会だってあります。さすがアメリカ人。どんなとこにも教会を作る!
そして原子炉すらあるのです。原子力は夢の未来エナジィィィ! さすがアメリカン魂あふれる施設。
ちなみに21世紀現在には南極に原子炉は存在していません。さすがに廃炉になってます。
マクマード基地から雪上車でバード基地まで移動。ここは南極点までの中継基地となります。当時は越冬もしていたようですが、現在は夏季しか人はいないらしい。
バード基地にある生物研究室にお邪魔してみました。
部屋の内装は意外と普通な感じ。なにやら真空管が搭載された増幅器を調べる科学者達。真空管というのが時代を感じさせます。
どこにでもギターを持ち込むアメリカ人。極地にいる緊張感を感じさせません。
棚氷に穴を開けて、ゴンドラを海の中に沈めます。カメラマンごと沈めて海中を撮影。
アザラシがいます。
スキューバダイビングする猛者もいます。
ハード基地から南極点にあるアムンゼン・スコット基地まで空路で移動。
夏なので南極点は白夜です。
アムンゼン・スコット基地の通信室
そしてアマチュア無線局KC4AAAのシャックもありました。
QSLカードが壁一面に貼ってあるのがわかります。
当時の日本の電波法では違法でしたが、アメリカのハムでは当然フォーンパッチが可能です。越冬隊員が本国の家族とフォーンパッチで話をするとき、部屋の上にこのような看板を出してプライバシーを守るのです。
やはり女性が少ない環境らしく、かおるはモテモテだったようです。
当時の米軍人には日本駐留の経験がある人が多く(特に海軍・空軍は)、日本で放送されていた兼高かおる世界の旅を知ってるいる人もいたようです。
今の若い世代は兼高かおるを知らない人が多いでしょう。世界の旅そのものが兼高かおる本人の企画で、プロデューサ(スポンサーとしてパンナムを引き込んだり)、ディレクター、現地レポータ、通訳すべて独りでこなしたスーパーウーマン。
番組内で、ケネディー大統領と握手したり、アポロ11号の前にヒューストンのNASAの基地を紹介したり、ガチャピンか兼高かおるかってくらいの活躍をした人なのです。そろそろ再評価の動きがあってもいいかも。ちなみにまだ本人は存命です。