ワロボロを観ました。ゲッツ板谷の自伝的小説、要はガキの頃の武勇伝を映画化した作品です。予告編では新垣結衣が光ってました。

ストーリーは総集編的で大味、ドラマ構成としては投げっぱなしイベントが多いです。母ちゃんが入院した後どうなったとかまったくフォローなし。まさに飲み屋で「オレは昔はワルだったんだぁ〜」と酔客が語る武勇伝そのものです。
新垣結衣は演技がうまくたしかに目立ってますが、映画全体から見ると出番はほとんどなし。全部あわせても登場シーンは10分もありません。TV版ウルトラマンにおけるバトルシーンよりも少ない比率です。新垣目当てで観る人は貴重な出演シーンを目を皿のようにしてみるしかない!
舞台は1980年代の立川ということで、時代考証とか小道具とかはよく考えられています。脚本も80年代の文化を感じさせるセリフがちらほら出て、いま40代の人には懐かしいと思います。
しかし! 音楽がなってない! 80年代に流行った曲がまったく流れません。仲間とつるんでオープンカーに乗って海に行くシーンなんか、カーラジオから当時流行ったナンバーが流すしかないだろ!って基本的な演出がありません。サントラはBMGジャパン(旧ファンハウス)から出てますが、すべて新曲ばかり。この手の映画で懐メロがまったく流れないというのは奇異というか、すがすがしさまで感じさせます。
この映画、東映+東映ビデオが製作というVシネマ体制なので、DVDも売っている既存レコード業界とは商売敵で、うまく協業できなかったんでしょうか? これがソニーピクチャー製作だったら間違いなく懐メロばりばりだったはずなのに、非常に惜しい、残念です。
DVD化する時はBGM吹替版をぜひ作ってほしい。そうじゃないと誰かが勝手に80’sナンバーに吹替えてYouTubeなりニコ動に流されちゃうぞ。
それに加えて、どっからみても中学生にはとても見えない主人公たちもすがすがしいです(主演の松田翔太は22才!!)。タバコ吸いまくるシーンを撮るにはover20の役者使うしかないからしょうがないのだろうけど。いくら昔の子供いまより老け顔だったと言ってもコレはかなり無理があります。
高部あいの聖子ちゃんカットがかなりよかった映画