嫌われ松子の一生
嫌われ松子の一生を観ました。原作の同名の小説はベストセラーらしいですが読んでません。映画はだいぶシナリオが変わってるらしいです。
戦後の復興期から20世紀末にかけてを舞台にした九州出身のある女性の転落人生の物語です。九州ってのがひとつのキーワードなのかも知れず。
主人公は自ら不幸を招き寄せどんどん転落する人生を送ります。この映画を観てちょっとしたつまずきや不可抗力で不幸になったと思う人もいるようですが、そう思える人ってちょっとどうかなと思う(依存体質?)。松子も典型的なダメ男好きの共依存体質。なのに生への渇望は大変強く、しぶとく行き続けます。幻覚を自覚する独居老女が自分から精神科医に通うとか、よっぽと生き続けたい執念に駆られてるとしか思えない。健保入ってたのかなぁ?
ストーリーそのものは見るべきものはなく、自由の国の人はダメになる自由もあるんだねと生暖かく見守ってやるくらいの感想しか持ちえません。
ただ映像や音楽は素晴らしい。名作洋画のオマージュにあふれ、日本音楽界の有名どころや、巧い役者をたくさん起用し、非常に贅沢な仕上がりになってます。実際かなり制作費かかってるんだろうなぁ。東宝ってすごい太っ腹だ。いや去年から宣伝打ちまくりってことは少しでも回収しようと必死ってことか? 中島哲也監督はうまく出資者を騙したもんだと感心するばかりです。
全然ハートはウォーミングされませんが、映像と音楽を楽しむなら見る価値はあるかも。ただしドギツいです。まさにエログロナンセンスで背徳的な映画。